これまでに片野坂 知宏監督体制下で築いてきた組織的スタイルが昨季後半には対戦相手から研究・対策されたため、今季は期待の新戦力を補強して戦術のブラッシュアップを図っていた大分だが、まず町田 也真人が第3節の広島戦で負傷。野村 直輝もトレーニング中に負傷したほか、小林 裕紀も第5節のG大阪戦で途中交代したあとはメンバー外が続いている。小塚 和季や小林 成豪、小手川 宏基らは負傷から復帰したが、まだ万全とは言いづらい状態。ほかの選手たちも連戦の疲労によりパフォーマンスが低下しがちだ。12日に行われたJリーグYBCルヴァンカップDグループ第3節の柏戦では、すでに敗退が決まっていることもあり、若手や2種登録選手、JFA・Jリーグ特別指定選手を起用して戦力の底上げを図ったが、同じくメンバーを入れ替えていた柏に1-3で敗れている。
それでも、現在はまだ今季の戦術の浸透中。松本 怜は「いまは新しいことにもチャレンジしている。それだけが原因ではないが、みんな前向きにチャレンジはしているので、これがかみ合ってくれば良いサッカーになってくると思う」と、チャレンジ継続の意義を説く。連敗によるメンタル的なダメージが戦術浸透の進ちょくを妨げるようではいけないが、降格のない今季、焦ってこれまでに積み上げてきたものを無にしてしまうよりも、じっくりとチームを仕上げていく選択肢は決して悪いものではない。
一方、昨季王者の横浜FMは現在、3勝2分4敗で11位。シーズン前には想像もしなかった今季の様子を鑑みてか、現在、積極的に戦力の入れ替えを行っている。遠藤 渓太、前 貴之、杉本 竜士らが次々にチームを離れると、松本から前田 大然を、柏からジュニオール サントスを期限付きで獲得。相模原への育成型期限付き移籍から呼び戻した松田 詠太郎はすでに前節の柏戦から出場している。今季のタフな戦いに合わせたチームの再編成がハマれば、一気に浮上する可能性は高い。
いずれにしても現在の大分にとっては厳しい相手だ。特に中盤は戦力の層が薄くなっており、出場可能なメンバーの組み合わせで横浜FMのパワーとテクニックにどれだけ太刀打ちできるかが試されることになる。戦術的発展を感じさせる内容で連敗を止めたいところだが、これまでになく失点が増えている現状、横浜FMの攻撃をしのぎ切ることも大事なポイントだ。
異例のシーズンには突きつけられる課題も多くなる。どのチームも厳しい戦いを強いられるが、プレーヤー個々の成長のためにも、歯を食いしばって日々を乗り越えたい。
[ 文:ひぐらし ひなつ ]
105 大分トリニータ 1.webp)