ホームチームの状態は深刻だ。ここまで8月の公式戦は全敗で、リーグ戦4連敗中。前節は横浜FCとの下位直接対決となったが、開始20分間で4失点を喫するまさかの展開に。ボールホルダーに対して圧力が掛からず、3バックの裏を再三再四突かれて失点を重ねてしまった。前半の戦況をベンチから見つめていた山田 直輝は、「何かの(戦術的な)問題というよりも、根本的な戦うことだったり、走るとか、切り替えや球際。そういうところができていなかった」と振り返る。リーグ10試合を消化し早くも8敗目。厳しい序盤戦を強いられている。
ただ、横浜FC戦の後半にはポジティブな要素もあった。浮嶋 敏監督の号令の下、「後ろは(人数が)余らない形でより前から取りにいくこと」を確認して入った中、本来の強みであるプレッシングが機能を見せる。相手が大量リードを得ていたこと、体力的に少し落ちたという側面は否めないものの、64分に相手のミスから1点を返すと、さらにペースが上がり猛攻を仕掛けた。結果として反撃は2点にとどまったが、後半だけで実に9本のシュートを記録。この数字を上回った試合は、明治安田J1第4節・札幌戦(11本)までさかのぼることを考えれば、迫力のある攻撃を見せられたことは前向きに捉えたい。
その中で、主将・岡本 拓也は「お互いの共通理解を高めないといけない」と話し、前後半の内容を踏まえて危機感を口にする。
「前半の立ち上がりから20分がすべて。全員のちょっとした意識が段々とズレていって、ああいう結果になってしまったと思います。(後半のように)前線の選手があれだけコースを限定してくれると、後ろは回収しやすいし、狙いどころがハッキリとするので、ああいうテンポの試合を前半からやらなければいけないなと思いました。やっぱりシンプルに考えてもう少し整理しないといけないと思います」 連戦が続く中で、思うように練習時間を確保できないものの、この試合ではもう一度チームの良さを取り戻し、アグレッシブな90分を展開したい。
一方の名古屋はここ最近、勝ち負けを繰り返しながらも、依然として上位戦線に加わっている。前節はFC東京との上位対決に競り負けたものの、ここまでは安定した守備を基盤としつつ、前々節・浦和戦で6得点を記録したように、リーグ屈指のタレントがそろう前線にも破壊力が備わる。昨季途中から就任したマッシモ フィッカデンティ監督の下、復権を掲げるクラブはまずまずなスタートを切ったと言えるだろう。
その中で、今節はメンバーのやり繰りにも注目だ。先週、先々週のミッドウィークに行われたJリーグYBCルヴァンカップでも比較的、主力を多く投じて戦っているだけに、夏場の連戦において選手の疲労は間違いなく蓄積している。山﨑 凌吾や太田 宏介をはじめ、この試合ではここまで途中出場が続く選手たちにも期待がかかるが、特に古巣戦を迎える山﨑はモチベーション高く、かつてのホームスタジアムに乗り込んでくるはず。苦境にあえぐ古巣に対し、リーグ戦今季初ゴールは生まれるだろうか。
[ 文:林口 翼 ]
