アンジェ ポステコグルー監督が指揮する横浜FMは前節、昨季まで横浜FMでヘッドコーチを務めたピーター クラモフスキー監督が率いる清水と対戦。指揮官の“師弟対決”となった一戦は、攻撃哲学を貫く両者にふさわしい点の取り合いの末、横浜FMが4-3で接戦を制した。
その清水戦で躍動したのが、今夏加入した新戦力と控えメンバー。松本から期限付き移籍してきたU-22日本代表の前田 大然が先発2試合目でうれしい初ゴール。5試合連続途中出場となった渡辺 皓太は決勝点となったJ1初ゴールを奪うなど、1ゴール1アシストで勝利の立役者となった。さらに8試合ぶりに先発した高野 遼が2アシストと気を吐き、夏の間に戦力の入れ替えがあった中、底上げを実感できる結果となった。
そして、圧巻だったのは柏から期限付き移籍で加入したばかりのジュニオール サントス。2分の先制点は重戦車のような約50メートルのドリブルを見せ、最後は強烈なシュートでファーサイドを打ち抜くファインゴールだった。勝ち越しゴールとなった3点目は鋭い反転から右足を振り抜くと、アウトにかかった低弾道でまたもやファーを射抜く。強烈な個の力を見せつけて、来日初ゴールを含む2得点を奪い、先発抜擢に応えた。
清水戦から中3日で迎える今節も少なからず選手の入れ替えはありそう。リーグ戦3分の1にあたる11試合を消化していまだ連勝がなく、出遅れた王者にとってもう足踏みはできない。指揮官が「まだフィットしていないところもあるかもしれないが、連戦では準備する時間も短いので、どんどん試合をこなしていくしかない」と語るように、結果と連係向上の二兎を追いかけつつ上位を目指さなければならない状況にある。
連戦を乗り越える上で今後もさまざまな起用が想定される中、「選手はどこでチャンスをつかむかも大事になる」(アンジェ ポステコグルー監督)。清水戦に続き、今節も計算できる戦力の台頭を期待したいところだ。
対する広島は2連勝で臨んだ前々節・浦和戦から勝利がない一方、前節・FC東京戦は1点を追う後半アディショナルタイム、川辺 駿が値千金の同点ゴールをねじ込んで3-3のドロー。「ゴールに向かい続けたことが最後、勝点1につながった」とは城福 浩監督。今節につながる前向きな勝点1をつかんだ。
リーグ戦では中盤より後ろのメンバーをほぼ固定して戦っているが、今節はハードな夏場の連戦最後のアウェイ戦という条件だけに、メンバー構成が注目される。今季、4つの勝ち試合はすべてクリーンシート。3失点した前節の反省を生かして横浜FMの攻撃をいなしつつ、守備からリズムを作れるかが勝利のポイントとなりそうだ。
[ 文:大林 洋平 ]

