開幕から粘り強い守備で結果を引き寄せてきた名古屋だが、ここにきて風向きが変わり始めている。前節は鹿島を相手にリーグ戦では今季初めて前半に2失点。トータルとしてはJリーグYBCルヴァンカップ準々決勝・FC東京戦(0●3)に続いて、2戦連続で3失点(1●3)を喫してしまった。
特に鹿島戦の3失点は「どうしてしまったのか」とマッシモ フィッカデンティ監督が嘆いたほど、自分たちのミスが失点につながった。相手のクリアボールを無理に触り、スライディングが間に合わず数的不利になり先制点を献上すると、2失点目は自陣深くから、マークが2人ついているところにパスを出したことでボールを奪われ、フィニッシュまで持ち込まれた。致命的となった3失点目は安易なクリアが相手の正面に。シューターをマークすることもできずにGKの足元を冷静に打ち抜かれた。
ミスが起こった原因を指揮官は「連戦による疲れもある」とするが、コロナ禍による公式戦再開からメンバーをほぼ固定してきたことで、選手たちの疲労がピークにあるのか、集中力不足による判断ミス、切り替えの遅さが目立ち始めている。
ただ逆に、メンバーを固定してきたことでここまで勝点を積み上げられてきたとも言える。今後も中3日、中2日の連戦が続く中、どのように選手のコンディションを整え、頭と体をリフレッシュして試合に臨ませることができるか、指揮官のマネジメント力も勝敗のカギを握ることになるだろう。
対する横浜FMの前節は、首位を走る川崎Fとの“神奈川ダービー”。横浜FMは開始2分に敵陣深くにまで攻め込み、松田 詠太郎のマイナスのクロスをマルコス ジュニオールが絶妙なコントロールで流し込み、幸先よく先制点を挙げた。
その後は実力あるチーム同士が見ごたえあふれるバトルを展開。昨季王者は川崎Fのウィークポイントを突く素早い攻撃を狙うものの厚い壁を打ち破れず、前半のうちに追いつかれると、後半にも2点を追加されて逆転負けを喫した。
独走する首位チームを止められなかったとはいえ、横浜FMはリーグ戦直近の5試合で3勝1分1敗。核となる選手は定まっているが、選手層も厚く、うまく疲労を取りながら戦うことができている。超攻撃的なサッカーを仕掛ける中、課題は蒸し暑い名古屋でどれだけ走ることができるかくらいで、自分たちのスタイルを貫いてくるだろう。
一方で名古屋が狙うのは、相手が攻撃に出てきたときにできる背後のスペース。ボールを奪った瞬間にスピードのあるアタッカーが背後に走り込む。そこを逃さずに鋭いパスを供給できるか。そしてそれをゴールまで結びつけられるかが見どころとなる。
昨季、同じパロマ瑞穂スタジアムで行われた両者の対戦は、名古屋が1-5と横浜FMに大敗を喫した。強豪・川崎Fに勝ち、勢いを取り戻すかと思ったところでの惨敗は、精神的に大きなダメージとなり、再び連敗が続く結果となった。そのリベンジのためにも、そしていまのチームの自信を取り戻すためにも、攻撃的な相手を高い集中力で抑え込みたい。
[ 文:斎藤 孝一 ]
