大分は15試合で3勝4分8敗の勝点13で14位。直近の勝利は第10節で、このときはホームで前年王者の横浜FMを破った。その後はなかなか複数得点できず勝星に恵まれず、前節の湘南戦も早い段階で2点のリードを許す苦しい展開だった。しかし、後半の大攻勢から2点を連取して追いつき、終了間際にも決定的なチャンスを迎えたが、ゴールポストに阻まれ勝ち越しはならず。勝点1を得て仙台戦に乗り込む。
攻守ともに多くの人数が絡み、勝負どころで押し上げる組織力が大分の武器。ボールを保持して相手を引き出したところでスペースを突き、自陣からのカウンターも連動性が高い。サイドに開いて揺さぶる形も、相手のクリアボールを即座に奪って2次攻撃を中央で仕掛ける形も可能だが、ここでは前節に2点を追いついたサイド攻撃に注目したい。田中 達也のスピードや香川 勇気の運動量を生かす左サイドの仕掛け、さらにはその後方から上がってくる三竿 雄斗のキックなどを次々と繰り出し、あの手この手で相手を崩すことができる。
また、片野坂 知宏監督は現役時代に仙台でプレーした経験を持ち、前節にうれしいJ1初ゴールを決めた島川 俊郎はプロ生活を仙台でスタートさせた。この縁に注目するのも面白い。
仙台は2勝5分7敗の勝点11で16位に位置している。こちらの直近の勝利は第9節で、アウェイで神戸を破った。ここまで挙げた2勝はいずれもアウェイで、ホームゲームではまだ勝つことができずに苦しんでいる。昨季はホームでの勝率が高く、ホーム最終戦で大分相手に勝利を収めただけに、この試合でもなんとか勝点3を取りたいところだ。
仙台も組織力を武器としており、木山 隆之監督の下で複数パターンのパスワークを使い分けながら前進して、相手を押し込む形を構築しているところ。負傷者が多い中での連戦で苦戦が続いているが、最近は守備の要であるシマオ マテや、スピードのあるジャーメイン 良が戦線に戻ってきた。彼らを組み込みつつ、出場できる選手たちで円滑にボールを動かしたい。また、最近はセットプレーでの得点が増えてきたことにも注目したい。今季加入のキッカー・浜崎 拓磨の供給するボールとターゲットの呼吸が合い、シュートに持ち込むパターンが増加。前々節はアレクサンドレ ゲデスが直接合わせてゴール。前節は柳 貴博と金 正也のタッチを挟み、長沢 駿が今季2点目を決めた。こうした武器を活用し、「気持ちを出して、絶対に勝てる試合にしたい」(長沢)とホームでの勝利を狙う。
中盤戦で調子を上向かせるための勝利を手にするのは、仙台か大分か。
[ 文:板垣 晴朗 ]


