前々節からリーグ戦に復帰した鳥栖だが、4試合が延期となったブランクを感じさせない堂々とした戦いを見せている。復帰初戦となった前々節・横浜FC戦では立ち上がりからアグレッシブな守備とスピード感あふれる攻めを展開し、3-0で快勝。前節はアウェイで浦和と対戦したが、2-2で引き分け。敵地から勝点1を持ち帰ることに成功している。変幻自在のビルドアップと前線の流動的な動きで長短のパスを使い分けるスタイルは、浦和にも十二分に通用したが、二度リードしながら二度とも追いつかれるという甘さも露呈してしまった。チャンスで決め切れない部分、技術的なミスからボールを失い、チームとしての矢印を後ろに向けてしまう点など、まだまだ課題も多い。それでも2試合で5得点を奪っているように、本来志向する攻撃的なスタイルは着実に実を結びつつある。若い選手も多く、試合を重ねるごとに飛躍的な成長を見せており、攻守にアグレッシブなスタイルは魅力という点でも色気を重ねているといったところか。
一方の柏は好調だ。首位の川崎Fの数字が圧倒的過ぎるがゆえにあまり注目されないが、ここまで15試合でリーグ2位の31得点。攻撃陣は1試合平均2得点以上のペースを誇っている。すでに15得点を挙げ、得点ランクトップをひた走るオルンガが脚光を浴びているが、特筆すべきはチームとしての総合力の高さとネルシーニョ監督の手腕だろう。今季の補強は主にJ2からとなったが、特長を持った選手たちをうまく組織に組み込むことで総合力アップにつなげている。また、最終ラインを中心にケガ人が続出した8月も、システム変更など戦術面でのやり繰りを駆使し、JリーグYBCルヴァンカップではベスト4進出を決めている。オルンガだけのチームではなく、ネルシーニョ監督が選手それぞれに適した役割を与え、個々がうまく役割を果たす。その循環が高いレベルで機能しているのが柏だと言えるだろう。
リーグ戦対戦成績は鳥栖から見て6勝7分7敗。柏がリードしているもののきっ抗している。また、注目したいのは両監督の年齢だ。今季のJ1最年少監督である金 明輝監督は39歳。一方のネルシーニョ監督は最高齢の70歳。野心に燃え、攻撃的なスタイルを作り上げている最中の青年監督と、数々のタイトルを獲得し、誰も比肩できないほどの経験値を持つ偉大な監督。それぞれが試合の中でどんな采配、駆け引きを見せていくのかもこの試合を楽しむポイントになるだろう。
4試合消化が少ないながら、勝てば12位まで浮上する可能性がある鳥栖、AFCチャンピオンズリーグ圏内へ入るためにも3連勝が欲しい柏。スペクタクルな一戦になることは間違いない。
[ 文:杉山 文宣 ]
