横浜FMは“真夏の8月シリーズ”を、3連勝を含む4勝2分1敗で終えて復調したかに見えた。ただJリーグYBCルヴァンカップを含めて9試合の連戦が組まれる9月に入り、リーグ戦で2試合続けての逆転負けで失速。敗れた相手も前々節は首位・川崎F、前節は4位・名古屋と、連覇を目指す上では勝点を与えたくないライバルなだけに、2つの黒星は非常に痛い。
前節・名古屋戦では今季初めて[3-4-3]を採用。幸先よく先制したものの、同点に追いつかれたあとの前半終盤に實藤 友紀が負傷交代し、逆転を許した後半途中からは基本布陣である[4-3-3]に戻した。3バックはほぼ準備期間がないぶっつけ本番だったが、守備対応の立ち位置で修正点が目立った一方、攻撃では4バックと同じく流動性を保ち、特に前半は好機を作った。右サイドハーフに入った松原 健は言う。「何度かあったチャンスを決め切らないとこういう結果になるので、決め切る部分を追求していかなければならない」。
今節、[3-4-3]を継続するかは不透明だが、“決め切る”ことは継続テーマとなるだろう。王者となった昨季、11戦10勝1分だった終盤はすべての試合で先制し、常に優位に立ってゲームを進めていた。しかし、今季はすでに逆転負けが四度もあり、リードしてからのゲームコントロールに課題を抱えている。勝っている状況でも最後まで攻める姿勢を貫く“アタッキングフットボール”の特性上、“次の1点”へのどん欲さを取り戻したいところだ。
一方、敵地に乗り込むC大阪はリーグ戦4連勝。特に目を引くのが失点の少なさだ。その4試合で失点はわずか『2』と、4試合連続で複数得点を奪う攻撃とかみ合ってきた印象が強い。9月2日にはJリーグYBCルヴァンカップ準々決勝で柏に0-3の大敗を喫したが、以降2試合で連続クリーンシートを達成。見事なリバウンドメンタリティーを発揮し、心身両面の充実ぶりがうかがえる。ただ、現在は2位といえども、首位・川崎Fの勢いが止まりそうにないだけに、しっかりと食いついていきたい。
今節は横浜FMの水沼 宏太が昨季まで3年間在籍したC大阪との古巣戦となる。過去3シーズンでは5試合で3得点と横浜FM戦に滅法強く、2019年の明治安田J1第11節での2得点1アシストの活躍ぶりは記憶に新しい。水沼の存在はC大阪にとってマイナスであり、横浜FMにはプラスであろう。いまはトリコロールをまとう30歳がキープレーヤーとなるかもしれない。
[ 文:大林 洋平 ]

