いくつかの台風を経て朝晩はめっきり涼しくなった昭和電工ドーム大分では、5勝4分8敗で12位の大分が、5勝2分9敗で14位の横浜FCを迎える。大分は昨季の、横浜FCは今季の昇格組で、大分の片野坂 知宏監督と横浜FCの下平 隆宏監督は同じ1971年生まれ。現役時代には柏でチームメートだった時期もあるが、第68回全国高校サッカー選手権大会で鹿児島県代表・鹿児島実業高と青森県代表・五戸高でそれぞれのキャプテンとして対戦したのが馴れ初めだ。指揮官としては、下平監督がJ1・柏を率いていた2017年に、天皇杯3回戦で片野坂監督のJ2・大分を2-0で下したのが初対戦。その後はカテゴリーがすれ違ったため、下平監督が横浜FCを率いての今節はそれ以来のマッチアップとなる。それぞれ昨季のJ1とJ2の優秀監督に選出され、Jリーグアウォーズでは並んで表彰された。片野坂監督は「シモ(下平監督)も本当に良いサッカーをしているし、ゲーム中にも開始前でも、対われわれというところで変化できる監督なので厄介だと思う」と盟友に警戒を強める。
両軍とも今季のイレギュラーなリーグでは苦戦しているが、大分は一時期の混迷から脱却したかのように、直近2試合では連勝。前々節・仙台戦で片野坂監督体制ではJ1初の3得点を挙げたかと思えば、中2日でのアウェイ連戦となった第24節のFC東京戦にも3-2で勝利した。中断明け以降はコンディションが上がらずにいた野村 直輝が復帰戦で1ゴール1アシストと結果を出したほか、町田 也真人、知念 慶、渡 大生ら今季の新戦力が復帰したり、フィット感を高めたりと、ようやく今季に向けての補強が奏功し始めた感触がある。また、負傷者続出で層が薄くなっていたボランチには、第6節に右肘関節を痛めた前田 凌佑が戻ってきて好調なプレーを見せている。
一方の横浜FCも特に守備陣に負傷者が多発し、戦力を細やかに入れ替えたりコンバートしたりしながら戦っている中で、攻撃陣では新たなオプションも育ちつつある。そんな彼らが躍動して、前節は3-2で名古屋に競り勝ち、連敗を『3』でストップ。8月には3連勝で調子を上げたかに見えていたが、9月に入ってからは鳥栖に0-3で敗戦し、FC東京とは互角に戦いながら逆転負けを喫していた。
いずれもボールを握るスタイルで、互いに主導権を争う好ゲームが予想される。幅を使いながらサイドチェンジやクロスでダイナミックに揺さぶる大分と、ショートパスで崩して素早くゴールに迫る横浜FC。采配の駆け引きも含め、質の高い勝負に期待したい。
[ 文:ひぐらし ひなつ ]
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