今節、5位の名古屋がホームに迎えるのは13位の札幌。上位のC大阪に勝ち、久しぶりの連勝と士気の上がる名古屋だが、札幌との前回対戦はスコアレスドロー。後半アディショナルタイムにPKを献上し、それをGKランゲラックが止めたところで試合終了と、かろうじて勝点1を持ち帰ったゲームだった。
実は前回も首位・川崎Fに土をつけた直後の対戦で、チームは勢いを持って北海道に乗り込んだが、空回りしてしまった印象。過去にも名古屋は“思いやり予算”とも揶揄されるが、勢いのあるときに下位相手に取りこぼすクセがあり油断はならない。さらに言えば、今後は川崎F、横浜FMと強豪とのアウェイ戦が続くだけに、勝点3を奪って勢いを保ったまま上位対決に臨みたい。
その名古屋の前節は、リーグ屈指の守備力を誇るチーム同士の対戦となった。しっかりとラインを作って中央を固めるC大阪に対し、両チームともに必要以上にリスクを冒さない手堅い戦法。その持ち味を存分に発揮し、終了間際までスコアレスで進んだものの、アディショナルタイムに差しかかったところで、C大阪に手痛いミスが発生した。名古屋は敵陣の高い位置で奪ったボールをガブリエル シャビエルが低いクロス。そこに走り込んだマテウスがトラップで敵のシュートブロックのタイミングを外し、ゴールに流し込んだ。
その勝利まで8戦連続で勝ち負けが交互に続く“オセロ状態”だったが、およそ1カ月半ぶりに連勝を決めた。しかも2戦連続で1-0の完封勝ちと、守備にも集中力が戻ってきたことは今後の自信にもつながっていくだろう。
対する札幌の前節は2-1で逆転勝ち。5試合ぶりに勝点3をつかんだ。ヒーローとなったのはルーキーの金子 拓郎。36分にGKのパスがズレたところからボールを奪われ、先制点を許したものの、42分にルーカス フェルナンデスのシュートの跳ね返りを田中 駿汰がダイレクトで打ち直すと、ゴール前にいた金子がコースを変えて同点に追いつく。さらに55分には、カウンターから金子がスピードに乗ったドリブルを仕掛けそのまま突進。最後は左足で逆転のゴールを決めた。その後、札幌はしっかりとゲームの主導権を握り、湘南の反撃を粘り強くしのいで試合を締めくくった。
注目は独特な札幌のビルドアップを、どれだけ名古屋が前からプレッシャーを掛けて奪うことができるか。なるべく高い位置で奪うことができれば名古屋のペースになり、逆に札幌がそれをかいくぐることが多ければ、上位の名古屋とはいえ苦戦は必至。そして名古屋のマテウス、札幌の福森 晃斗という正確無比なセットプレーのキッカーにも注目したい。
[ 文:斎藤 孝一 ]
