「自分たちのサッカーはできていたと思うんですけど、勝ち切れなかったことがすべてだと思います。個人的には、前半のチャンスを決め切れなくて、あれを決めていれば試合運びも全然違ったと思うので、責任も感じています」 浅野が言った「前半のチャンス」は24分の場面のこと。レアンドロ ペレイラとのワンツーでディフェンスラインの背後を突くと、一気にスピードにアップ。ハーフウェーラインを越えるとギアをトップに入れてゴールへ一直線、追いかける守田 英正を振り切ってペナルティエリアに入り、シュートを放った。しかし、GKチョン ソンリョンの好セーブに阻まれてゴールを奪えなかった。
圧巻のスプリントを見せた浅野だったが、シュートを打つときには力が残っていなかったという。「ぶっちゃけて言うと、もう足が動かなかったです。乳酸がたまっていて、最後に(シュートを)打ち分けられるほどの余裕がなかった。そこが自分のまだまだなところですね」。浅野はとても悔しそうに話した。
この浅野が迎えた決定的な場面は、いまの広島の状況にも言い換えられるだろう。川崎Fを存分に苦しめる好ゲームを展開した。キックオフと同時に惜しみなく力を発揮して優位に進めても、残念ながら広島は勝ち切るまでの力を有していなかった。決定力不足を嘆くだけでなく力が足りなかったことを認め、チームとしても、各個人としても、さらに力をつけていくことが大事だろう。
浅野はすでに気持ちを神戸戦へ向けていた。
「まずは自分たちのサッカーをしたい。個人的には、点を取ることに尽きます。相手がどういうサッカーをしてきても、自分たちのサッカーをブレずにやっていきたいと思いますし、次こそはホームでサポーターの皆さんの前で勝ちたいなと思います」 敵地に乗り込む神戸は、前節の大分戦を1-1で引き分けて連敗を回避している。前々節の柏戦から先発11選手を総入れ替えして勝点1をつかんだことで、チーム全体の活力が増していることは想像に難くない。三浦 淳寛監督は選択肢の多くある状況で今節を迎えられるだけに、どんなフォーメーションを採用し、どんな選手を起用するのか、注目の集まるところだ。
振り返れば、リーグ再開初戦がこのカードだった。ノエビアスタジアム神戸で広島が3-0で神戸を下してから3カ月半、あっという間に過ぎ去っていったようだが、とても多くの出来事もあった中で、両チームは成長してきた姿を披露してくれるに違いない。広島が神戸に3連勝中というデータもあるが、果たして18日はどんな結末が待っているのだろうか。
[ 文:寺田 弘幸 ]