首位を快走する川崎Fは前節、FC東京と対戦。2週間ぶりの試合ということもあって、立ち上がりは体が重そうに見えたが、次第にアジャストしていく。すると相手が築いた堅いブロックの中に見つけた狭いスペースで、針の穴を通すようなパスワークを披露して前進。その中から家長 昭博がPKを沈めて先制に成功した。その後はディエゴ オリヴェイラに得点を許したが、最後は40歳の誕生日を迎えた中村 憲剛の決勝点が生まれて2-1の勝利をつかんだ。2点目、3点目を早い時間帯で取れていれば、もっとラクな展開になっただろうが、攻撃の形は圧巻そのものだった。これには鬼木 達監督も評価の言葉を口にしていた。
「選手には試合が終わってから言いましたが、先週、今週の練習で質をこだわってやってきました。そういうプレーが数多く見られました。本当に練習の成果が、一人ひとりの意識の高さが、こういうゲームになってくれたなと思っています」 今節は中2日の連戦。多少のメンバー変更が予想される。そこで期待したいのは前節に出場がなかった旗手 怜央や終了間際に投入された齋藤 学など、試合に飢えている選手たち。ピッチで活躍するチームメートを見て、「自分も」というたかぶる気持ちがあるはず。激しい競争の中でアピールしていきたいところだ。
対する13位の札幌は前節にG大阪と対戦。序盤にドウグラス オリヴェイラのゴールで先制する展開となったが、井手口 陽介とパトリックの2発を浴びて逆転負けを喫した。ペトロヴィッチ監督が「決して負けに値するようなゲームではなかったと思いますし、少なくとも勝点1は持ち帰ってもおかしくないゲームだった」と話していたように、内容は良かっただけにポイントを得られなかったことは悔しい結果となった。ただ、すぐに試合は来る。「切り替えて、中2日で試合があるので勝てるようにしていきたい」(ドウグラス オリヴェイラ)。
両者の前回対戦は明治安田J1第10節。6-1で川崎Fが快勝した。立ち上がりは札幌が我慢強く戦っていたが、セットプレーから車屋 紳太郎が先制点を挙げると守備が破たん。結果、破壊力抜群の川崎F攻撃陣が躍動して大量得点が生まれた。だからこそ、札幌としてはできるだけ無失点の時間を長くしたい。どれだけ耐えて攻撃に持っていけるかがカギを握るだろう。
一方、川崎Fのやるべきことは変わらない。観る者を魅了するパスワークとアグレッシブな守備で主導権を握り、ゴール前への進入を目指す。自慢のサッカーで圧倒するまでだ。11月1日に今季限りでの引退を発表したクラブのバンディエラ・中村 憲剛にとって最高のシーズンにするためにも、優勝への歩みを止めるわけにはいかない。
[ 文:高澤 真輝 ]