両チームとも、直前の試合はスコアレスドローに終わった。勝利に必要なゴール、そして順位上昇への道を切り拓くゴールを取るのは誰なのか、ということに注目したい一戦だ。
鳥栖は4勝10分11敗の勝点22で15位。金 明輝監督の下で昨季以上に多くの人数が関与してボールを動かし、敵陣に迫るスタイルを作ろうとしているが、勝利がない状態が9試合続いている。守備の安定を図り、前節は自陣で耐える形でゲームを進める時間があったが、得点も奪えず。もともと仕込んでいた組織的攻撃をどれくらい発揮できるかが問われている。並み居るDFを恐れずに勢いよくゴールに迫る林 大地や、SBながら積極的に高い位置に進出する森下 龍矢、快足を飛ばす石井 快征といった若手が面白い存在だ。もちろん、前節に先発へ復帰した豊田 陽平にも、長年このチームの前線で戦ってきた点取り屋としての見せ場を期待したい。
仙台は2勝8分15敗、勝点14の最下位と苦しんでいる。こちらは8月8日のJ1第9節・神戸戦を最後に勝利がなく、16試合白星がない。とりわけホームゲームでは、今季いまだ勝利がない。このホーム・鳥栖戦でなんとしてもサポーターの願いに応える勝利を手にしようと力を尽くす。「攻守ともアグレッシブにプレーする」ことが今季からチームを率いる木山 隆之監督の目標だが、最近は攻守のバランスが極端な試合が続いており、前節は守備で踏ん張ったものの、攻撃ではシュート6本に抑えられて無得点に終わった。ここまで5得点のアレクサンドレ ゲデスのパワフルなシュート、長沢 駿のクロスに合わせる動き、山田 寛人の相手DFの背後を取るランニングなど、多くの武器を生かしてゴールに結びつけたいところだ。
両チームにはそれぞれ元チームメートと戦う選手も多い。仙台のイサック クエンカと金 正也は元鳥栖で、鳥栖の高橋 義希は仙台に在籍経験がある。
そしてなんといっても、2004年に仙台でJリーガーとしてデビューした同期、関口 訓充と梁 勇基のピッチ上での再会も見どころだろう。関口が他クラブでプレーしていた時期に仙台の梁 勇基と顔を合わせたことはあったが、関口が仙台の選手、梁 勇基が鳥栖の選手として対戦するのは初めてのこと。関口は「同期でずっと仙台でやってきた仲間。対戦相手としてキーになってくると思いますし、リャンさんとやるのが非常に楽しみ」と、梁 勇基は「まだまだ元気でやっているというところを見せたいし、相手にとって怖いプレーを1つでも出せれば」と、それぞれこの試合を楽しみにしている。どちらもゴール前の決定機に関わる仕事ができる選手でもあり、チームを勝たせるゴールを演出できるか、彼らにも注目だ。
[ 文:板垣 晴朗 ]


