5年ぶりのJ1を戦う福岡は前節、明治安田J1第1節・名古屋戦とJリーグYBCルヴァンカップAグループ第1節・札幌戦での2連敗の中、清水とのアウェイ戦を戦った。12分という早い時間帯に先制を許すが、その後はボール保持の時間を作りながらきっ抗した展開に持ち込み、61分にエミル サロモンソンのクロスを山岸 祐也が決めて同点に。65分にGKのキャッチミスから勝ち越しを許すが、後半アディショナルタイムに得たゴール正面のFKをエミル サロモンソンが決めて土壇場で追いつき、今季初の勝点を獲得した。
対する横浜FMは川崎FとのJ1第1節を0-2で落としたあと、ルヴァンカップDグループ第1節・仙台戦をオナイウ 阿道のゴールで今季初勝利。J1第2節の広島戦では前半に前田 大然が1ゴールを決めるが、3失点を喫して2点を追う形で前半を折り返した。後半に入り、54分にオナイウ、67分に前田がいずれも途中出場した渡辺 皓太のアシストからネットを揺らし、しぶとくドローに持ち込んだ。
福岡の主将・前 寛之は前節・清水戦を振り返って、「先制を許したのは反省すべき点だが、そこから二度追いつけたのはチームが持っている力を出せた部分だと思う。リーグ戦2試合を終えて勝利はないが、できることもあると分かったので、そこを出しながら戦えばやれる、という手ごたえはつかんでいる」と前向きなコメント。横浜FMのアンジェ ポステコグルー監督は広島戦について、「良いゲーム。素晴らしいサッカーができたし、自分たちが支配した。選手たちも素晴らしいパフォーマンスを見せてくれた」と話している。ともに前節の結果と内容を受け、かなり良い雰囲気とイメージで今節に臨めると思われる。
今節、福岡にとってのポイントは横浜FMの攻撃力をいかに抑えるかだろう。名古屋戦の最初の失点が4分、清水戦が12分といずれも早い時間帯だったことで試合を難しくしていることもある。リーグ戦2試合で先発中の志知 孝明は、「少なくとも前半を無失点で抑えられれば、アビスパらしい試合ができると思う」と言うように、まずは前半を無失点で終えることで自分たちのリズムに持ち込みたいところ。
名古屋戦で2失点、ルヴァンカップの札幌戦で3失点、清水戦で2失点と昨季J2で最少失点を誇った堅守が崩れる形になっているが、失点の中には連係や技術的なミス絡みのものが多く、“守備崩壊”というわけではない。J1でのスピードや強度に慣れてきた清水戦では、持ち前の組織的な守備を披露しており、横浜FMの個の能力を生かした攻撃への対応も期待できる。
一方の横浜FMは、自信を取り戻しつつある福岡の守備を柔軟かつ多彩なシステムで惑わせながら、緩急をつけたボール回しで粘り強く崩しにかかれるかがリーグ戦初勝利へのポイントだろう。前節から中2日であるため、先発するかどうかは微妙だが、前節2ゴールを挙げた前田のスピード、前節2アシストの渡辺が見せるキレのあるプレーが福岡の組織的守備攻略のカギになるのではないか。
[ 文:島田 徹 ]


