福岡は何よりも前節の勝点3獲得がパワーになるはずだが、改善しなければならない大きな課題がある。それは、前半序盤での失点。第1節・名古屋戦では4分、第2節・清水戦では12分、そして徳島戦が2分と、開始早々に失点を喫して自ら試合を難しくしているのだ。試合巧者の鹿島を相手に同じことを繰り返せば勝点獲得が遠のくことは明らかだ。
その解決策を問われて答えを出すのは簡単ではないが、例えば前節で貴重な同点ゴールをマークしたエミル サロモンソンは「最初の10分、最後の10分が試合で重要になることは誰もが知っている。自分たちは最後の10分はよくやれているので、それと同じように最初の10分をプレーするようにしようと、みんなが理解し、努めることが大事だと思う」と、一人ひとりが良い集中力を持って試合に入ることが解決策の1つになり得ると話す。
そして4試合連続先発中のGK村上 昌謙が「常勝・鹿島と言われるだけあり、チームとしてのしっかりとした勝ち方を持っている。だからウチはまず失点をしないことが大事になると思うので、守備陣としてはゼロの時間をできるだけ長くする、またそこから90分通して失点を抑えられるようにすることを目標にしたい」と言うように、まずは前半45分の無失点を目標に、それを実現することで自分たちのリズムを作り出したい。
鹿島はザーゴ監督が実現を目指す「パスをつなぎながら相手ゴールに迫力を持って入り、ゴールを狙う」攻撃的なサッカーを、無失点の時間を長くしようとする福岡相手にどう表現していくかがポイントになる。守備を前提に入ってくる福岡の覚悟を徐々に崩す粘り強い多様なボールの動かし方ができるか、また網目が詰まった守備網に穴を開けるためのリスクを冒す覚悟を持てるかに注目したい。
鹿島にあるポジティブな要素の1つが、3試合連続ゴール中の荒木 遼太郎の存在だろう。「結果を出してそれを継続することが大事。次の試合でも結果を出せるように、またチームのために頑張りたい」と本人も4試合連続ゴールに意欲を見せ、それを勝利につなげたいと意気込んでいるので、そのプレーぶりにはぜひ注目してもらいたい。
そんな好調な選手を素直に生かし、また逆におとりに使えるうまさを持っているのも鹿島というチームの強み。福岡もそこは承知しているようで、例えば村上は「ノっている荒木選手への警戒は当然必要だが、その選手だけを警戒すると組織的な守備というところでバランスが崩れる可能性もあるし、鹿島は誰か1人を抑えれば勝てるというチームではないので、1人にフォーカスするのではなくチームとしてバランスよく守っていきたい」と話している。
試合は鹿島がボールを握りながら進む展開が予想できるが、守備を意識して入るだろう福岡にとっては、押し込まれても無失点の時間が長く続けば、それは“主導権を握った展開”と認識することができる。見た目とは異なる結果が出る可能性もあるこのカード、面白くなりそうだ。
[ 文:島田 徹 ]


