リーグ戦7連敗中と苦しんでいる大分が復調のきっかけをつかむべく、ホーム・昭和電工ドーム大分での初勝利を懸けて、7連戦の5戦目に臨む。
大分にとっては明治安田J1第11節・浦和戦とJリーグYBCルヴァンカップBグループ第4節・神戸戦のアウェイ連戦を中2日で戦ってから、中3日でのホームゲーム。神戸戦は大幅にメンバーを入れ替え、ベンチメンバー5人という編成で戦った。ルーキーや2種登録選手が多く顔を並べた先発は、平均年齢22.45歳。相手との経験値やタレント性において、決して優位とは言えない布陣だったが、しっかり構えて相手の背後を狙う割り切った戦術を粘り強く遂行することで、スコアレスドローで終えた。
若手選手や新戦力に実戦経験を積ませただけでなく、試合終盤には負傷明けの高山 薫やチームに合流して間もないエンリケ トレヴィザンもピッチに立たせた。ゲームプランと采配もハマり、根気強く続けてきた戦力の底上げとともにチーム状態も徐々に上向きつつあることが感じられる。戦いぶりでも積極性が回復し、前節の浦和戦ではリーグ戦で5試合ぶりに得点が生まれると、白熱のシーソーゲームを展開。シュート数も増え、トンネルを抜ける兆しは見えるものの、紙一重のところで勝点に届いていない。
そんな今節、乗り込んでくるのは因縁のある清水だ。今季から指揮を執るロティーナ監督は、片野坂 知宏監督にとって相性最悪の“天敵”。ロティーナ監督が2017年に東京Vを率いていた頃から、チームが変わってもリーグ戦未勝利が続いている。ロティーナ監督の仕込む緻密な組織的守備の前には何度も“塩試合”を強いられており、内容が上向いているタイミングで、また勢いを削がれるようなサッカーにはしたくない。
清水の守備の要となっているのは、昨季まで大分の守備を支えてきた鈴木 義宜だ。今季は大分の切なる慰留を振り切って清水へと移籍。大分にとって、それが苦戦している要因の1つになっているとも言える。さらに福森 直也、後藤 優介という大分の生え抜きの選手たちも、清水で活躍中とあり、大分としては意地を見せたい。また、ルヴァンカップDグループ第4節・広島戦では合流したばかりのウィリアム マテウスもデビュー。多くのポジションに外国籍選手を擁し、個々の力量でも秀でる清水が新たな武器を加えた。
とはいえ、清水もリーグ戦5試合は勝利から遠ざかっている。その中でも3連続ドローで粘り強く勝点を積んではいるが、勝利に飢えている点では大分と同じはず。4チームがJ2に降格するシビアなリーグでの生き残りを懸けて、調子の上がり始めている大分を清水が再び叩き落とすのか、大分が底力を発揮して清水を乗り越えていくか。浮上を目指す両軍が、5月最初のゲームをしたたかに戦い抜く。
[ 文:ひぐらし ひなつ ]