ホームの福岡とアウェイの札幌はともにここまで2引き分け。今節でリーグ戦における今季初勝利を狙うことになるが、その勝点3の獲得に向けて両チームのムードは良いと思われる。というのも、3月2日のJリーグYBCルヴァンカップグループステージ第2節で、福岡はFC東京とのホームゲームで1-0、札幌は柏とのアウェイ戦を3-2でモノにして“今季初勝利”を手にしているからだ。
福岡の長谷部 茂利監督が「もう少しトライしてもいいところはあったが、勝ちへの執念を見せてくれた」と言えば、札幌のペトロヴィッチ監督も「今季で一番良いゲームだった」と、勝点3の獲得につなげた選手のパフォーマンスを高く評価している。
とはいえ、両チームともここまではリーグ戦とルヴァンカップでターンオーバーを敷いており、今節の先発メンバーは直近のルヴァンカップとは変わってくるだろう。それでも、ルヴァンカップで初勝利をもたらしたチームメートの奮闘に今節での出場の可能性が高い選手たちは大いに刺激を受け、「今度は自分たちが」との思いでリーグ戦初勝利へ燃えるはずで、好勝負が期待できるのではないか。
両チームともに初勝利への意欲は強いとして、よりモチベーションが高いのは福岡のほうかもしれない。昨季の札幌戦の戦績は、リーグ戦とルヴァンカップともに1分1敗と、4戦して未勝利に終わっていること、しかもその2敗がいずれもホームゲームであり、今節での雪辱に大いに燃えるはずだからだ。
札幌が古巣となる主将の前 寛之も「去年1勝もできなかったが、苦手意識そのものはないし、勝てていない相手に対する強い気持ちは選手みんなが口にしているので、良い気持ちの入り方はしていると思うし、個人的にも高ぶる相手、試合になる」と話している。
福岡の長谷部監督が「札幌は守備ではなく攻撃的なチーム。1点取られたら2点を取る、というスタイル。ウチは相手が得意とする形を出させないで、なんとかチャンスを得点につなげていかなければ」と言うように、この一戦の構図は、福岡の堅守対札幌の攻撃力となるはず。
福岡の守備力は、前節で攻撃力が売りの神戸を無失点に抑えてスコアレスドローに持ち込んだことに表れるように、昨季以上の堅さを持つ。対する札幌は先日のルヴァンカップCグループ第2節・柏戦で3得点を挙げたものの、リーグ戦2試合でまだ複数得点がなく、持ち味の攻撃力が十分に発揮できているとは言えない状況。
それはガブリエル シャビエルや興梠 慎三といった新戦力と既存選手の細部での連係が不十分であることが理由かもしれない。しかし、2人の能力が高いことは間違いなく、今節が実戦3戦目で、連係が時間の経過とともに深まることを考えれば、そろそろ有効に機能し始める頃合いかもしれず、堅守対攻撃力のぶつかり合いは迫力のあるものになりそう。
きっ抗した試合展開になった場合、それぞれの指揮官が“勢い”を利して勝利への得点を狙う可能性もある。勢いとは、先日のルヴァンカップで得点を挙げて勝利の立役者となった2人のことで、福岡は田中 達也、札幌は途中出場ながら2ゴールを挙げた中島 大嘉。そうなると、別舞台の戦いであり先発メンバーも大きく替わるかもしれないが、やはりルヴァンカップからの流れが今節の勝負に大きく関わることになるのか。
[ 文:島田 徹 ]