京都は前節、アウェイで神戸に3-1で逆転勝ち。後半開始早々に失点したが、荻原 拓也と宮吉 拓実のゴールで試合をひっくり返すと、終了間際には山田 楓喜のJ1初出場でのファーストタッチがJ1初得点となる“初物づくし”のダメ押し点で勝負を決めた。
開幕戦以来となる5試合ぶりの勝利という結果はもちろん、試合内容や選手の活躍においても今後にはずみがつくものだった。左SBの荻原は自慢の攻撃力を発揮して、同点ゴールを含む2得点に絡む活躍。中盤の福岡 慎平や前半途中の負傷者により急きょ投入された金子 大毅も含めて、カウンターの場面で守備から攻撃への切り替えを相手よりも素早く実行し、自陣から長い距離を走ってアタッキングエリアに厚みをもたらしたことがゴールを呼び込んでいる。
失点シーンについては、直近の試合で出た「ゴール前へのマイナスの折り返しにしっかり反応する」(福岡)という守備面の修正点を実行。そこで味方同士がぶつかってしまうというアクシデント的な要素があったが、「あれはなくせる失点だと思う」(福岡)と前向きに捉えている。神戸にはアンドレス イニエスタという世界的な名手がいたが、高いレベルのマッチアップを経験できたことは、伸び盛りの選手たちには貴重な経験となったに違いない。
チームは先々週、新型コロナウイルスの感染者が3日間で14人(選手・スタッフ含む)も出たことで、3月22日から5日間にわたって活動停止となっていた。活動再開となったのは試合4日前の同29日。練習が行えなかったことによるフィジカル面や、試合の準備への影響が心配されたが、そんな懸念を吹き飛ばすゲームを見せた。連戦ではあるが、この勢いを継続させてホームでの一戦に挑む。
対するG大阪も、前節はホームで名古屋に3-1で勝利した。26分、セットプレーのこぼれ球を強振した昌子 源のミドルシュートを、ゴール前でパトリックがコースを変えて先制すると、54分には右サイドの山見 大登のクロスからオウンゴールが生まれて追加点。その8分後には、左サイドを攻め上がった黒川 圭介がうれしいJ1初ゴールを決めてリードを広げる。終盤に自陣でのビルドアップを奪われて1失点したが、明治安田J1第2節・浦和戦以来となる勝利となった。選手個々では、東口 順昭が負傷中のGKにJ1デビューとなった一森 純が起用され、ピンチを防ぐ好守を見せている。ボランチの新戦力・ダワンや前線の山見も今季初先発を飾ったことは、連戦を戦うチームにとって好材料だ。
片野坂 知宏監督が就任した今季は、指揮官が大分時代に見せていた組織的な戦術に、G大阪が培ってきた攻撃的なスタイルを融合させながらチーム作りを進めている。京都府長岡京市出身の宇佐美 貴史のプレーが見られないことは残念だが、力強いパフォーマンスで相手の脅威となるパトリックを最前線に、果敢な攻撃でゴールを狙う。
ともに前節の勝利を上昇気流につなげたい、水曜開催の一戦。京都は新型コロナウイルス感染症の陽性判定から復帰していない選手も複数いるようだが、ここから連戦が続く中、両陣営の選手起用にも注目が集まる。
ゲームとしては、京都が鋭い出足からのプレスでボールを奪えるか、G大阪がそれを技術や連係でかわして攻撃に出ていけるかどうかが見どころの1つ。逆に京都が攻撃を仕掛ける際は人数をかけて相手ゴールを目指すが、そこでG大阪が良いボールの奪い方ができれば、手薄となった敵陣を効果的に突けるはず。状況を見ながら、相手のハイラインの背後も狙っていきたい。互いの持ち味がぶつかり合う、ダービーらしい熱戦が期待される。
[ 文:雨堤 俊祐 ]

