その両チームの現在地は、10試合を終えて名古屋が2勝4分4敗の15位。京都は4勝3分3敗の7位となっている。名古屋は昨季JリーグYBCルヴァンカップのタイトルを獲ったものの、長谷川 健太新監督の下でスタートした今季はチーム戦術の変更が順調に進まず苦戦を強いられている。一方で京都は、昇格した勢いをそのままJ1でも見せられていると言っていいだろう。
だが、長丁場のリーグ戦はむしろここからが本番だ。名古屋は前節、イヤな形の逆転負けを喫しただけに、このホーム戦で勝利を収めて上昇ムードを作りたいところ。クラブも無料招待企画などを実施し、満員に近い来場者数が予想されている。新型コロナウイルス感染症のパンデミックが起こる前年の2019年は、4万人以上の観衆を集める試合が三度あり、2勝1分と名古屋は負けていない。まだ声を出すことができないため、“大声援を背に”とはいかないが、大きな手拍子や拍手が選手たちを後押しするだろう。
名古屋で注目したい選手は2人いる。まずは古巣戦となる仙頭 啓矢だ。京都橘高時代には全国高校サッカー選手権で準優勝にチームを導き、得点王を獲得。そして、東洋大を経て2017年に京都に加入し、初年度から主力として活躍した。大阪出身だが、京都が地元と言っていいほど愛着があり、粉骨砕身してきたが、京都をJ1に昇格させることはできなかった。
そして、今季から籍を置く名古屋では高い技術と戦術眼ですでにチームに欠かせない戦力となっている。その仙頭が初の古巣戦でどんなプレーを見せるのか、そしてどんなキラーパスを繰り出すのか注目したい。
もう1人は守護神のランゲラック。来日5年目になる豪州国籍のGKは、これまでJ1通算149試合に出場している。つまり京都戦で無事に出場すれば区切りとなる通算150試合出場となる。昨季は数々の無失点記録を樹立し、超人的な反応によるビッグセーブでチームを何度も助けてきた正真正銘の守護神は、100試合出場を達成した試合を無失点で抑えていた。今回も節目の試合でクリーンシートを果たし、なおかつ勝点3を上積みしたいところだ。
対する京都は、前節5試合ぶりの敗北を喫した。雨と強風という悪コンディションの中、12分に迎えた最初のピンチで失点。後半はシステムを変更して攻勢をかけたが、ゴールを割ることはできなかった。ルヴァンカップを含めると3連敗となり心配するむきもあるが、気持ちを切り替えて臨みたいところ。大観衆のプレッシャーをはねのけて勝利をつかみ取れば大きな自信にもつながるはず。勇猛果敢なプレッシングを武器に敵地で白星をつかみ取りたい。
[ 文:斎藤 孝一 ]
