明本考浩、左足一閃。終盤に町田が勝利を手繰り寄せる
1週間前に行われたJリーグ ヤマザキビスケット ルヴァンカップ1stラウンド4回戦と同じ対戦カードとなった今節。ホームの京都は同じ先発メンバーで挑んだのに対して、アウェイの町田は日本代表から戻ってきた相馬 勇紀が左サイドに、テテ イェンギが前線に入った。
試合は開始20秒に左サイドからのクロスに合わせたラファエル エリアスのヘディングシュートで幕を開ける。京都は序盤からアグレッシブな姿勢を打ち出してゴールに迫る。8分に自陣でボールを奪ったところから新井 晴樹が左サイドのスペースを突いてエリア内まで進入してシュートを狙うが、相手にブロックされる。9分にはこの試合がJ1リーグデビュー戦となった諸岡 裕人の縦パスを受けたラファエル エリアスが左足でシュートを放つが、枠を捉えない。12分には新井 晴樹が左サイドで相手をドリブルで抜き去って前進し、ラストパスを受けた中野 瑠馬がシュートを放つがGK谷 晃生にセーブされた。23分の福岡 慎平のミドルシュートも谷 晃生の正面を突き、ネットを揺らすことができない。
対する町田は22分にテテ イェンギが相手の背後を突いたプレーからエリア内へ持ち込んでシュートを放つが、ポストの外側を叩く。
そんな中、29分に京都にアクシデント。相手との競り合いの中で腕を痛めたラファエル エリアスが交代となり、前線にはアレックス ソウザが投入された。エースが去った京都だが勢いを緩めずに戦い、33分には左サイドから新井 晴樹がクロスを上げると、ゴール前へ飛び込んだ加藤 蓮が頭で合わせたが、相手DFとの競り合いの中でボールはクロスバーの上へ。前半はスコアレスで折り返す。
後半も京都がチャンスを作る。52分にカウンターから相手陣へ攻め込んで新井 晴樹がフィニッシュを狙い、58分には左サイドからクロスが流れたところから中野 瑠馬がシュートを放つが、左へ流れてしまう。69分にはエベルトン マセイオと尹 星俊を投入すると、アレックス ソウザとエベルトン マセイオの2人がカウンターをけん引して決定機を作り出すが、73分のアレックス ソウザのシュートは相手に防がれ、75分のエベルトン マセイオのシュートはポストにはじかれる。
町田は攻め込まれる場面はあったが、ゴール前では懸命の守備で相手に最後の一線を越えさせない。その中で58分には明本 考浩と望月 ヘンリー海輝を両サイドに投入して相馬 勇紀を1列前へ上げ、72分にはとも投入して反撃に出る。79分に攻撃参加したがミドルシュートを放ち、82分には左サイドから明本 考浩がドリブルで突き進んで、そこからパスを中央で受けたが振り向きざまのシュートを放つが、惜しくも枠を捉えない。85分にもCKの2次攻撃からがミドルシュートを放つ。そして86分、ついにスコアが動く。再びCKの2次攻撃からゴール前へボールを送り込むと、小川 航基のヘディングシュートはGKにはじかれるが、そのこぼれ球に明本 考浩が左足を振り抜き、京都の選手もゴールライン上でカバーに入ったがクリアし切れず、ゴールネットを揺らした。
FC町田ゼルビア
--リーグ戦再開の試合を1−0で勝ち切りました。リーグ戦の前節の柏戦で負けていたので、そういった意味でもなんとしても勝ちたかった試合でした。その中でこうして結果をつかみ取ることができたので、その点はとてもポジティブに捉えています。 --しかもクリーンシートでの勝利です。チームとしても個人としてもクリーンシートにこだわりたいという中で、(リーグ戦で)久しぶりに無失点で終えられたことはチームとしても1つの自信になると思います。 --来週もACL Twoのアウェイゲームを控えています。今後は過密日程も待っています。10月は中2日での連戦が続く時期もありますし、チーム全員の総力戦で挑まなければならないと考えています。その中で自分自身の役割も非常に大きくなってくると思うので、一つひとつのプレーの質にしっかりとこだわりを持って戦っていきたいです。
--左ウイングバックでのスタメン出場でした。代表でも同ポジションを経験していましたし、代表活動を通じて「常に前を選択する」という意識が非常に高まっていたので、積極的に縦パスを狙うことができました。特に立ち上がりの30分ぐらいは、受け手との意図や自分が出したいタイミングが合致していて、僕の縦パスからテテ(イェンギ)が決定機を迎えるなど、非常に良い流れを作れたと感じています。ただ途中から少しかみ合わなくなる場面もあり、難しさを感じる部分もありましたが、序盤のパフォーマンスに関しては手ごたえを感じています。 --コーチ陣からのウイングバック起用の意図については、どのように受け止めて臨みましたか?代表でのプレーを通じて、このポジションをこなせることを示せていた点も大きいと思いますし、感触自体は悪くありませんでした。ただ、どうしてもゴールからの距離が遠くなってしまい、1本もシュートを打てませんでした。もし次も同じポジションで出場するのであれば、よりゴールへの意識を高めていきたいです。
京都サンガF.C.
監督
敗戦という結果に満足はしていませんが、選手たちはベストを尽くしてくれました。町田というクオリティーの高い選手たちをそろえた相手に、試合を優勢に進められたのはわれわれだったと思います。試合を重ねるたびに前進している姿を見せられているのは良いことです。私の求めていることやチームでやりたいことを、選手がしっかりと表現してくれています。あとは結果を得るために、最後の精度を上げていかなければいけません。 局面で上回れていたことは多いですが、チャンスを決め切る町田さんのクオリティーに対して、われわれは決め切れなかった。その差が出た試合でした。ラファエル(エリアス)が負傷退場しましたが、その後もチームとしての力を落とさずにチャンスを作れていました。自分たちが取り組んできたことをしっかり出せたのは、チームとしての成長です。彼に頼らなくても勝てるチームになっていかないといけませんし、だからこそわれわれの選手たちが今日見せてくれたプレーを誇らしく思っています。 --良い内容が結果につながらない試合でしたが、試合後のサポーターからは声援が送られていました。沖縄キャンプでインタビューを受けたときに話したことを覚えていらっしゃるでしょうか。目指すチームというのは、仮に結果が得られなかった試合があったとしても、皆さんに応援していただけるチームです。それはすべてを出し尽くすということで、それを見せられるチームを作り上げていきたいです。今日はピッチで戦った選手、ベンチで戦った選手、みんながベストを尽くしてくれました。もちろんわれわれが望んだ結果ではありませんが、これを続けていくことが勝利への近道です。 また、今日のスターティングメンバーに名を連ねた選手の中で、昨年までJ1での出場試合数が多くなかった選手たちもいます。そうした選手がしっかりと力を発揮してくれていることも、われわれの力となっています。試合を戦いながら成長している選手には頭が下がりますし、そこはサポーターの皆さんにも理解していただけるのではないでしょうか。そして最後まで大声援で背中を押してくれたサポーターの声援があったからこそ、この試合でベストを尽くすことができたのだと思います。皆さんの力も借りながら、結果を取りにいきたいです。
FC町田ゼルビア
監督
まずはこの連休中のお忙しい中、観光地である京都まで非常に多くのサポーターの皆さんが駆けつけてくださったことに、心より感謝の気持ちを申し上げます。宿泊先の確保も大変困難だったと聞いておりますが、皆さんのご声援が力強くわれわれの背中を押してくださいました。 チームとしては、リーグ戦から少し離れてカップ戦が続いていましたが、直近のリーグ戦の柏戦での敗戦の記憶が薄れかけていた中で、もう1段ギアを上げるべく「連敗は絶対に避けなければならない」と、選手たちと一致団結して臨んだのが本日の試合でした。 先週のルヴァンカップ(1stラウンド4回戦・京都戦)におけるPK戦での勝利もありましたが、前回同様、非常にきっ抗した展開となり、激しい攻防やカウンターの応酬になることはあらかじめ想定していました。その中で随所にカウンターからピンチを招く場面もありましたが、選手たちが体を張って最後まで粘り強く対応してくれたと感じています。また、後半出場したヘンリー(望月 ヘンリー海輝)、明本(考浩)、ネタ ラヴィ、(ミッチェル)デューク、イボ(ドレシェヴィッチ)と交代選手たちがピッチ上で躍動し、疲弊した相手に対してサイドのスペースを突いて前進するなど、多くの決定機を演出してくれました。これは選手層の厚さを示すとともに、各自が果たすべき役割を深く理解し、全力を尽くしてくれた結果であると受け止めています。 またシンガポールでのACL Twoへ向かうこととなりますが、本日の勝利によってはずみをつけられたことは、われわれにとって非常にポジティブな材料となりました。勝点3を持ち帰ることができた喜びをチーム全員で分かち合いながら、今後の10月の試合で連勝を重ねていけるように、万全のマネジメントをしていきたいと考えています。 --カウンターへの対処に関して、どのような評価をされていますか。相手のセンターFWに対して、CBとボランチとの挟み込みも含め、相手にボールを蹴り出される前にしっかりとラインを下げて対応する場面は、それほど多くはなかったと捉えています。ただ、サイドからクロスを入れたタイミングで相手にはじき返された際のカウンターなどはどうしても起こり得るものですから、その際には全員が100%の力を出し切って戻り、きっちりと対応しようということはチーム全体で共有していました。攻守は表裏一体であるという覚悟を持ちながら、どれだけ危機感を持って準備できるか、そして修正力も含めて全員で意識高く取り組んでいけるかという点は、今回の共通の認識でもありました。また最後のゴール前で選手たちはしっかりと体を張って守り切ってくれたと感じています。 --相馬 勇紀選手を左ウイングバックで起用した意図と、後半の交代策におけるギアチェンジの狙いについて聞かせてください。ご覧いただいたとおり、今回は多くの選手がケガから復帰し、ベンチに入っていましたが、少しずつ時間をかけながら、チームになじませていくことも念頭に置いていました。試合開始から強度が下がることは避けつつ、0-0で試合が推移した場合には、ベンチに控えている選手たちを投入して自分たちの流れに変えていこうという狙いがありました。その中で交代メンバーを含めて戦い抜くという意識が浸透し、選手たちもそれを体現してくれたと考えています。 相馬については、一発の魅力やキックの精度を備えているので、相馬をうまく活用しながら攻める形が有効であると判断し、(ウイングバックとシャドーで)ともに準備を進めてきました。
京都サンガF.C.
MF 10
福岡 慎平
敵陣まで押し込めば、クリアや長いボールをテテ イェンギ選手につけてくるので、そこで回収して、どんどんボールを動かしていくことは狙っていました。最後の仕留めるところで仕留め切れなかったし、町田さんは守備が堅かったです。最後にああいう場面で決めてくることも、町田さんの強さです。自分たちがチャンスで決め切れないと難しくなる、という試合でした。 --何度もゴールへ迫ったが、得点を取るために何が必要だったか?カウンターへ行った際に、ゴール前へ枚数をもう少しかけられると思います。僕やモロ君(諸岡 裕人)のうち片方はゴール前へ関わりたいですし、ウイングバックの選手も含めて、枚数をかけたいです。あとは押し込んだときに早く攻め切るだけでなく、もう一度敵陣でボールを持つ中で攻撃する場面も増やしていきたいです。 --諸岡選手とのダブルボランチについて。モロ君とは試合中に目が合うし、コミュニケーションをとりながらうまくやれていたと思います。 --良い試合だったが、結果をつかめなかった。勝たないとサポーターも満足してくれませんし、自分たちも納得することはできません。勝ち切らなきゃいけません。ただ、すぐに試合があるので、下を向かずに修正して、やることをやって、ACL Eliteへ向かいたいです。
MF 77
新井 晴樹
前後半で2~3回の決定機がありましたけれど、それを決め切れず、自分がチームを勝たせられなかったなと感じています。ゴール前の課題です。 --長い距離を走った上での最後の局面のプレーでした。守備があっての攻撃だし、守備を怠って失点してしまっては意味がないです。低い位置から持ち上がっていくことは自分のストロングポイントでもありますから。 --チームについて。ここ最近、試合を重ねるごとに良くなっていることは全員が感じています。ルヴァンカップ(1stラウンド4回戦・町田戦)では1点も取れなかったので、今日はゴール前の質を上げていくことにはこだわっていました。その中でボックス内やゴール前への進入回数が増えたことはポジティブに捉えています。いまの状況を乗り越えたら新しい景色が見えてくると思っているので、これからも顔を上げてやっていきたいです。
DF 40
石田 侑資
攻撃の形を出せたことなど、良かった部分があります。奪ったあとのプレーは大事にしていますし、前へ前へという姿勢が出せていました。ポポさん(ランコ ポポヴィッチ監督)のサッカーがこうして進化している実感がある中で、自分たちの時間帯やチャンスを作ったときに仕留め切らないといけません。まだ後ろが守り切れる力が、今日はありませんでした。そこはこだわっていかないといけません。 --失点シーンについて。自分が小川(航基)選手をマークしていたのですが、ディフレクションがあった中で半歩、1秒、遅れてしまいました。僕の責任ですし、防ぐことができた失点だと思います。ああいう場面を守り切れるようになる必要があります。 --攻守において良い場面が多く見られた試合だった。それは後ろから見ていても感じました。だんだん、みんなの意図が分かる場面が増えてきました。良いタイミングで味方に関わる、(ボールを持つ選手を)追い越していくことができてきています。今日も決定機がありましたし、そこを決めることができればと感じています。