ホームの東京Vは前節、千葉を相手に、これまで無得点だった“悩める1トップ”端戸 仁が2得点を挙げて快勝。前々節の甲府戦に続き今季初の連勝となり、最下位でのリーグ戦再開から順位を12位タイまで上げてきた。明治安田J2第4節まで2得点しか取れていなかったが、この2試合で6得点。失点は相変わらず続いているものの、「攻撃こそ最大の防御」(永井 秀樹監督)とする攻撃型のチームが、実際にゴールを量産し始めた。「相手が引いてきても、良い攻撃が増えている」(井出 遥也)と、チームは自信を得つつある。
アウェイの山形は前節、新潟に1-1の引き分け。ここ4試合は勝星がなく、3分1敗と勝ち切れない戦いが続いた結果、順位を20位まで落とした。今季から愛媛や京都を率いた石丸 清隆監督を迎え、昨季までの結果にこだわるシンプルなサッカーに、新たにボールを保持するスタイルをプラスしようとしているが、安定しない戦いが続いている。
昨季は山形でプレーした井出は古巣について、「前からプレッシャーに行って、みんなが最後まで走り切る。それが一番のストロングポイント」だという。ボールの握り合いになれば東京Vに一日の長があるが、山形がその原点に忠実に戦うならば「難しい試合になる」(井出)ことは間違いない。
東京Vはボールを握って山形を走らせ、粘り強い守備を崩す。山形は前線から走り回って東京Vのボールを奪い、チャンスを仕留める。自らのスタイルをやり切ったチームに勝利の女神はほほ笑むだろう。
[ 文:芥川 和久 ]