プライムステージ進出の条件は、『各グループの1位』と『2位の中で上位1チーム』。名古屋と川崎Fは勝てばもちろん文句なしの1位で進出となるが、他グループの状況を見ると、2位で勝点7に届く可能性のあるチームはない。つまり名古屋と川崎Fは引き分ければ両者一緒にプライムステージに上がることができる。
だが、もちろん試合開始のホイッスルが鳴れば、勝利を目指して全力で目の前の敵と戦うことがサッカー選手の自然な習性。引き分けを考えるのは、同点で迎えた試合終盤だけだろう。
名古屋のルヴァンカップ前節・清水戦は3-0の快勝。負傷者が7~8人いるという影響もあり、直近の明治安田J1第8節・柏戦から先発メンバーの変更は5人のみ。主力のほとんどがメンバー入りした。
試合前は過密日程で「主力を90分使うのはどうか」と語っていたマッシモ フィッカデンティ監督だが、前半アディショナルタイムにマテウスの強烈なFKからこぼれ球を丸山 祐市が押し込んで先制すると、勝利への欲求は明らかに大きくなる。後半に入ると、すぐに攻撃が得意で今季初出場だった青木 亮太に代えて、主力のボランチ・稲垣 祥を投入し守備をてこ入れ。さらに54分にマテウスが追加点を決めてリードを広げると、85分には中谷 進之介を入れて5バックシステムにする徹底ぶりを見せた。結果、主将の丸山をはじめ、ランゲラック、吉田 豊、ジョアン シミッチ、相馬 勇紀の主力5人はフルタイムでプレー。高い守備意識で逃げ切りに成功した。
そして8日に行われたJ1第9節・浦和戦では、7~8人いるという負傷者のうち、金崎 夢生、前田 直輝、ガブリエル シャビエルの3人はピッチに戻ってきた。このグループステージ最終戦をガムシャラに勝ちにいくのか、リーグ戦で出番の少ない選手たちの貴重な実戦の場とするのか、試合当日の先発メンバーによって監督の意識がハッキリ分かるだろう。
一方、ルヴァンカップの前節で川崎Fは鹿島と対戦。直前のリーグ戦から先発を7人入れ替えたが、レアンドロ ダミアンをはじめ、車屋 紳太郎や守田 英正、山村 和也、下田 北斗など実力者が並び選手層の厚さを感じさせる。川崎Fも名古屋と同様、前半の終了間際に三笘 薫がシュートを決めて先制。さらに後半開始からレアンドロ ダミアンに代えて小林 悠、下田に代えて大島 僚太を投入すると、47分に小林の放ったシュートのリフレクションを拾った大島がミドルシュートを決めて2点目。55分には若手の有望株・旗手 怜央がクロスに飛び込み3点にリードを広げる。終盤に鹿島の猛攻を受けて2点を奪われたものの、3-2ときっちり逃げ切りに成功した。
ルヴァンカップの前節のように、名古屋はリーグ戦組が中心、川崎Fはルヴァンカップ組が中心になると考えられるが、すべては選手のコンディションと指揮官の考え方次第。そしてどの時間にどちらが先制点を挙げるかによって試合の進め方が変わってくる。その時々の采配の妙もこの試合の見どころかもしれない。
[ 文:斎藤 孝一 ]
