直近の公式戦となった明治安田J1第6節では、両チームともに勝利を挙げることができなかった。鳥栖は福岡をホームに迎えての“九州ダービー”。試合を通してボールを保持しながら相手を押し込んだが、ゴール前での質を欠き、最後まで得点を奪うことができず、今季二度目のスコアレスドローに終わった。
一方の札幌はホームに神戸を迎えた。後半立ち上がりまでにアンデルソン ロペスがハットトリックを達成し、3-0でリード。勝利をほぼ手中に収めたかと思われたが、ここから戦況が一変。神戸の猛攻を受けると4失点を喫し、まさかの逆転負け。リーグ戦の今季2勝目どころか、大きな精神的ショックを味わうことになってしまった。
今大会に目を向ければ、両者は好対照のスタートを切っている。鳥栖は初戦で鹿島と対戦。連戦による過密日程を考慮し、リーグ戦から先発全員を入れ替えて臨んだが、鹿島に0-3で完敗を喫し、黒星スタートとなった。一方の札幌は初戦で福岡と対戦。打ち合いとなったが、ドウグラス オリヴェイラの2得点と中島 大嘉のプロ初ゴールで逃げ切って勝利を挙げている。鳥栖にとっては今季でJ1・10年目を迎えるが、ルヴァンカップでのプライムステージ進出を果たしたことがいまだにない。それだけにクラブが1つレベルアップを果たすためにも、プライムステージ進出を達成したいところ。また、札幌にとっても2019年に決勝まで進み、タイトルへあとわずかのところまで迫っただけに、この大会へ懸ける思いは強い。鳥栖にとっても連敗となるか、初勝利を挙げるかでは今後が大きく違ってくる。そして、札幌も連勝で一気にグループステージ突破へ前進したいところ。両者にとって分水嶺となる重要な一戦だ。
互いにボール保持をベースとした攻撃的なスタイルが持ち味であり、守備でも切り替えの速さやアグレッシブな姿勢を特長としているだけに、攻守にスピード感をもった見ごたえのある試合展開が期待できるだろう。特に札幌は守備においてはマンツーマン気味に人を捕まえにくるのが特長の1つ。ボール保持を得意とする鳥栖がそれをどういなしてゴールに迫るのか。両者の駆け引きも勝敗を分けるポイントになるだろう。
札幌にとっては遠い九州でのアウェイ戦となるが、駅前不動産スタジアムでは現在4連勝中。直近3試合では複数得点を奪っての完封勝利と好相性を誇っている。昨季の公式戦初戦でもルヴァンカップの第1節を同カードで戦っているが、3-0での快勝を記録している。札幌にとっては悪いイメージはないはずだ。
ただ、鳥栖としてもホームで同じ相手に辛酸をなめ続けるわけにはいかない。対札幌の負の歴史に終止符を打ち、ルヴァンカップでの今季初勝利を挙げたい。互いに攻守に置いて攻撃的な姿勢を持つ両者。攻め勝つのはどちらだ。
[ 文:杉山 文宣 ]
