清水は今季よりロティーナ監督の下で新チームを作っている。実力者を数多く補強し、昨季とは大きく異なる顔をここまでの公式戦で見せている。東京VやC大阪で実績十分のロティーナ監督は、的確なポジショニングで守備組織を整えることに長けており、戦況や相手に応じて微調整も可能。相手の攻撃を網にかけ、ここぞというところでプレッシャーを強めてボールを奪う様は見ごたえがある。
この仙台戦では、メンバーを入れ替えてもその守備組織を機能させることができるかもポイントとなる。前述のとおりリーグ戦から1週間が空くので、試合間隔が短かったルヴァンカップDグループ第1節・広島戦のように疲労を考慮したメンバー変更はないかもしれないが、GK権田 修一が日本代表、DF原 輝綺がU-24日本代表に参加していることなどから、主に守備陣で入れ替えが考えられる。広島戦で今季より加わったGK永井 堅梧が奮闘して無失点に貢献したように、チャンスを得た選手たちの活躍に期待したい。また、大会のニューヒーロー賞対象選手である鈴木 唯人のように、勢いある攻撃陣にも注目だ。
仙台は8季ぶりに戻ってきた手倉森 誠監督が指揮。今季ここまで公式戦で勝利がなく苦戦しているが、ユアテックスタジアム仙台で迎えるこの試合で勝利し、リーグ戦につながる勢いをつかみたい。全員守備・全員攻撃の組織を構築中で、攻守それぞれでスイッチを入れる選手と連動する選手の反応をより円滑にすることで結果を出したい。何より、仙台は昨季の公式戦においてホームで勝つことができなかったため、2季ぶりにユアスタでサポーターと喜びを分かち合うことを目指している。
仙台は若い力がこの苦しい状況でチームに刺激を与え、底上げをできるかが見どころだ。大卒ルーキーの加藤 千尋は、ルヴァンカップDグループ第1節・横浜FM戦でプロデビューを果たし、リーグ戦でも途中出場で好機をつかんでいる。直近の明治安田J1第6節・FC東京戦でも、終盤にもう少しでゴールという決定機をつかんだ。「どんどん積極的にシュートを打ちたい」という加藤は、左右両足とも速く強いシュートを放つ。また仙台のニューヒーロー賞候補では、若き守護神・小畑 裕馬や小技を効かせるレフティー田中 渉、ケガから復帰して空中戦やフィードで力を発揮する照山 颯人といった選手たちが虎視眈々とチャンスを狙う。彼らの活躍にも期待したい。
[ 文:板垣 晴朗 ]


