JリーグYBCルヴァンカップAグループ1位の鹿島が、3位の福岡をホームに迎える。鹿島は4試合を戦って勝点10と順調に勝点を伸ばしてきた。前節は鳥栖と対戦し、先制を許したものの前半のうちに逆転に成功。特に厳しい過密日程の中、難しいメンバー構成を強いられた相馬 直樹監督が編み出した、ボランチや右SBを本職とする小泉 慶のトップ下起用は、持ち前の運動量とボール奪取能力を最大限に生かしたプレッシングにつながる。大いに鳥栖を苦しめたが、後半の勝負どころでチーム全体の運動量が落ちたところを突かれ、湯澤 洋介に同点弾を許した。前節でグループステージ突破を決めることができなかったとはいえ、起用されている若いメンバーは着実に安定感を増している。
今節はその鳥栖戦でデビューを飾ったディエゴ ピトゥカが先発に名を連ねるかどうかが注目される。ディエゴ ピトゥカに遅れること1週間後に合流したアルトゥール カイキも全体練習に合流しており、チームから離脱していたファン アラーノも戻ってきた。リーグ戦でも上位進出をうかがうためには彼らの力が不可欠。途中からでも出場時間を与えたいところだ。とはいえ、まだ突破が決まっているわけでもない。相馬監督は一戦必勝を掲げ、選手に集中力の維持を求めている。先を見た戦いをどこまで許容するのか目をそらせない。
3位の福岡は、グループステージ突破のためには絶対に負けられない。しかも現在の勝点が4のため10の鹿島に勝点で並び、順位で上回るには、この試合で5点以上を奪う4点差以上での勝利が不可欠となる。福岡はホームで1-5の大敗を喫したことが大きく影を落としている。
ただ、互いにいまは上り調子だ。鹿島は監督交代後の公式戦を3勝2分の無敗。直近のリーグ戦では横浜FCを寄せつけず3-0で勝利している。対する福岡はそれを上回り、直近の公式戦5試合で4勝1分。補強したジョン マリのフィジカルは屈強で、さっそくリーグ戦とルヴァンカップでゴールを挙げ、実力を発揮している。ブルーノ メンデスらも戦列に加わっており、戦力は充実していると言えるだろう。
両チームともにラインを高く押し上げて、コンパクトな布陣から前を向いて守備をすることを旨とする。当然、中盤でのぶつかり合いは激しく、ラインの背後を取る動きも激しくなるだろう。その中でどちらが先手をとるかで、戦況は大きく変わるはずだ。また、先述したように鹿島が自分たちの置かれている優位な立場を考慮した試合運びをするのかどうかでも、展開は大きく変わるだろう。
ルヴァンカップの行方だけでなく、今後のリーグ戦も占う一戦となりそうだ。
[ 文:田中 滋 ]