ただ、そのキャスパー ユンカーが攻撃に専念するぶん、コンビを組むFWやトップ下の負担も大きくなる。16日の明治安田J1第14節・G大阪戦でも「簡単に自陣まで押し込まれる形が出てきてしまっていたので、より高い位置から守れるようにする意図があった」(リカルド ロドリゲス監督)と、56分という早い段階で杉本 健勇に代えた。当面はこういったセット運用であったり、相手や試合の状況によって組み合わせを使い分けていく状況も出てくるだろう。
「戦術的な交代だったが、水曜日の試合(今節)、その次の(J1第15節・)神戸戦であったり、あらゆる面があった」と指揮官が語ったように、温存した面もあったかもしれない。これまで浦和はルヴァンカップグループステージの第3節以降、ターンオーバーを施して戦っていたが、Cグループは唯一、どのチームもプレーオフステージ進出を決めていない。
浦和は勝てば自力突破、引き分け以下なら敗退という分かりやすい状況だ。公式戦5連戦の2戦目ではあるが、キャスパー ユンカーの先発や途中投入といった場面も出てくるかもしれない。一方で、キャスパー ユンカーの陰に隠れつつある興梠 慎三、杉本の奮起にも期待がかかる。
そのほかの先発予想としては、トーマス デンと武田 英寿の起用があるかにも注目したい。トーマス デンは長らく戦列を離れていたが、10日のJエリートリーググループA第3節・横浜FM戦で実戦復帰。武田 英寿も約1カ月ぶりに試合に出場した。リカルド ロドリゲス監督は「パフォーマンスとしては素晴らしいとは言えないが、悪くはなかったと思う。今後も連戦が続くので、彼らにも公式戦に出場するチャンスはある」とコメントしており、今回起用される可能性はありそうだ。
さらにリーグ戦2試合連続で鈴木 彩艶にゴールマウスを譲った西川 周作、リーグ前節は出番のなかった汰木 康也らの巻き返しにも期待がかかる。チーム内競争の激化が、グループステージ突破の大きな力にもなるだろう。
一方の横浜FCも、一時期の悪い状況を脱しつつある。15日のJ1第14節・湘南戦では待望のリーグ戦初勝利を挙げ、リーグ戦は現在2試合負けなし。いまだ最下位を脱せてはいないが、「こういう苦しい中でチーム一人ひとりが変わろうという動きが出ている」(前嶋 洋太)とチームの雰囲気も上向きだ。こちらは引き分け以上で突破が決まる状況だが、やはり勝って勢いをつけたいところ。
お互いにグループステージ突破が懸かっているだけでなく、直後のリーグ戦では上位との対戦を控えている。結果と内容の両方を求めつつ、戦力の底上げや士気向上など、欲張ったものを求める対決となりそうだ。
[ 文:沖永 雄一郎 ]
