山形は石﨑 信弘監督(現・八戸監督)の下でJ1を戦った2015年以来9年ぶり八度目のリーグカップ出場。これまではいずれもグループステージか1回戦で敗退しており、2015年はBグループを2勝2分2敗で7クラブ中4位だった。勝者は4月24日の2回戦でJ2清水と対戦する。
富山はJ3開幕から引き分けが3試合続いている。リーグ前節・奈良戦は追いついての1-1だった。今週末の17日にアウェイで行うリーグ次節・八戸戦は是が非でも勝点3が欲しい。はずみをつける意味で、今回の山形戦は重要度が高い。小田切 道治監督は「今後に向けて1つ勝つことが大事。コンディションを整えて勝利を目指したい」と、群馬から今季加入した川上 優樹も「カテゴリーは違っても力の差はそれほどないはず。勝ちにいく姿勢をもっと見せていけたらと思う」と、野望を抱いて臨む。
昨季は、昇格した2位の鹿児島に得失点差で及ばなかった。富山もまた石﨑監督から薫陶を受けており、2022年途中に任を引き継いだ小田切監督の下、2014年以来のJ2復帰を目指している。プレー強度の高い堅守速攻が基本スタイル。石﨑前監督体制で培ったアグレッシブな守備とハードワークが息づいており、小田切監督体制ではさらに組織的で緻密な攻守の構築に取り組み、ボールをつないで崩し切る攻めにもトライしている。
山形サポーターに注目していただきたい新鋭は、[4-4-2]の右サイドハーフに入る松岡 大智。ドリブル数が昨季のJ3最多で、成功率もドリブル数上位者の中でトップの65.5%を誇る。縦突破と、カットインから左足で繰り出すミドルシュートやクロスがチームの得点源だ。昨年7月の天皇杯3回戦では、J1新潟を相手に強烈なグラウンダーのミドルシュートを決めている。
今季の新戦力としては、ルーキーながら開幕戦で得点を挙げた中京大卒のFW碓井 聖生や、清水、岡山の中盤を支えてきたベテランの河井 陽介らが加わっている。小田切監督は「山形の特長はボール保持力と、個性の強いウイングにある。ボールを奪うことにチャレンジし、自分たちが攻める時間も作っていきたい」と話している。
対する山形も今週末の16日にホーム開幕戦となるJ2第4節・甲府戦を控えている。千葉との強豪対決となった開幕戦を3-2で制し、第2節・栃木戦も前半だけで3得点を挙げて逆転勝ち。しかし、前年J1の横浜FCと対戦したリーグ前節は0-2で敗れ、シュート数も4本止まりだった。富山と同じく、悲願の昇格を目指す上で、リーグ次節の勝敗はスタートダッシュの成否を左右しかねない。横浜FC戦後に渡邉 晋監督は「口では簡単に『切り替える』と言いがちだが、それを本当に示せるかどうか、われわれは試されるタイミングだと思う」と語っている。
連戦になるため横浜FC戦からメンバーの入れ替えがありそうだが、出場機会を得た選手が監督の示した意思を体現しなければならないだろう。リーグ戦で3得点と好調な高橋 潤哉や、2022年のJ3最優秀選手&得点王・有田 稜、熊本のエースだった杉山 直宏をはじめ、J3経験者が在籍しており、富山を格下と甘く見ることはあるまい。今後の糧とするためにも、J2上位の質や勝負強さを披露して勝ち進みたい。
[ 文:赤壁 逸朗 ]
