両チームは今季すでに、公式戦で顔を合わせている。2月16日のJリーグYBCルヴァンカップBグループ第1節。このときは浦和のホームで対戦した。結果は浦和が5-2で大勝。昨季のJ2得点王で新加入のレオナルドが挨拶代わりの2ゴールを決めるなど、その後に向けてはずみをつける結果を出した。敗れた仙台は新チーム構築の上で課題の多い試合になったが、右サイドから崩して2年目の田中 渉が立て続けに2得点を挙げたように、収穫もあった。
あれから4カ月以上が経過し、両チームは戦術をさらに練り、個々のレベルアップも図り、また新たなチームとなって再会のときを迎えた。開幕時点から継続していること、成長したこと、その両方に注目して見るのも面白いだろう。
アウェイチームの浦和はリーグ開幕戦で湘南に3-2で勝利し、中断明け初戦の前節は昨季王者の横浜FMと0-0のドロー。勝点は1にとどまったものの、攻撃力自慢の相手と激しく攻守が入れ替わる試合を繰り広げ、今季初の無失点を達成した。今季から加入した、素早さやパス能力に秀でるトーマス デンをディフェンスラインに組み込んで守備を整備。また、GK西川 周作のビッグセーブも光った。
攻撃面でも、開幕時からの勢いよく前に出ながら連動する形が機能。前節は特に、左サイドで先発した汰木 康也のドリブルや飛び出しが効き、何度も決定機を作り出した。また、今節もう1人の注目選手が興梠 慎三。浦和でのリーグ戦得点数を『99』に伸ばし、過去20戦18得点(鹿島時代含む)と相性の良い仙台戦に臨む。
ホームチームの仙台は、ホームでのリーグ開幕戦は名古屋と1-1で引き分けた。公式戦未勝利で中断期間を迎えていたが、この間に負傷者が復帰したり、かつて2018年にJ1リーグ戦24試合で11ゴールを挙げた西村 拓真が復帰したりという変化があった。そして戦術の整備を進めて臨んだ前節の湘南戦で、立ち上がりにジャーメイン 良が決めたゴールを守り切って勝利。公式戦初白星で勢いをつけ、浦和戦に向かう。
前節は負傷でシマオ マテやヤクブ スウォビィクといった主力選手を欠いたが、出番を得た選手たちが奮闘。CBに入った吉野 恭平は平岡 康裕とコンビを組み、その前に位置する椎橋 慧也とのバランスも良く守備を安定させた。また、前節最大の驚きとなったのが、仙台ユースから今季昇格したルーキー・小畑 裕馬の先発出場。この若きGKは雨の中でも落ち着いたセービングを見せ、無失点に貢献した。足元のパス能力にも自信を持つ小畑は次に向け「自分の持ち味であるキックをどんどん出せたら」と意気込む。彼ら守備陣が、浦和の速く迫力ある攻撃にどう対抗するかは見どころの1つだ。
仙台は攻撃陣にも多彩な選手がそろう。湘南戦で得点を挙げたスピード自慢のジャーメインや、自らゴール前に鋭くボールを運ぶ西村といったウイングに加え、体の強いアレクサンドレ ゲデスや、相手DFの背後を取る動きが巧みな山田 寛人といった面々も面白い。
前節に続いてリモートマッチになるが、ピッチ上の熱が遠くの人たちに伝わるような試合を期待したい。
[ 文:板垣 晴朗 ]


