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25周年ということで、Jリーグについて語ります 25周年ということで、Jリーグについて語ります

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「ここで何もできなかったら、日本に帰るしかないと思っている。」わたしのJリーグ25年の物語(記念インタビュー)

Jリーグの原博実副理事長が、ベルギー1部リーグに所属するシント=トロイデンVVを訪問。同チームに所属する日本人選手たちにインタビューを行った。

今回は今夏にフランクフルトから期限付き移籍で加入した鎌田大地と、流通経済大から加わった小池裕太の2人に、ベルギーサッカーの印象や新天地にかける思いなどを聞いた。


原 加入して間もないけど、ベルギーリーグはどんな印象?
鎌田 僕は去年1年間、ドイツにいたので、それと比べるとスピード感が足りないというか、ゆったりしているというイメージがあります。スペースも結構あるので、普通にやれば、それなりに得点は取れそうだなと思いますね。
原 このチームは得点が少ないみたいだから、鎌田にかかる期待は大きいんじゃない?
鎌田 僕に関してはブンデスリーガから来ているので、ここで何もできなかったら、日本に帰るしかないと思っています。


原 小池君は大学からいきなりベルギーに来たわけだけど、どんな印象?
小池 やっぱり、大学では味わえないような球際の激しさだったり、そういうところはこれから慣れていければいいと思います。
原 ポジションは左のウイングバックになるのかな?
小池 そうですね。左利きなんで、左サイドでやることになると思います。
原 言葉は話せるの?
小池 まだ、全然覚えてないです(笑)。
原 ここでは英語が主流に?
小池 そうですね。チーム内では英語でやり取りしている感じです。
原 鎌田はドイツにいたから、ドイツ語は喋れるの?
鎌田 英語よりもドイツ語のほうができるんですけど、英語でもなんとなくニュアンスは伝わる感じで。しゃべるのは難しいですけど、ドイツに1年間いたので、コミュニケーションの取り方というのは、なんとなくわかっています。


原 ブンデスの練習は激しかった?
鎌田 めちゃくちゃ激しいです。ハイプレスを求められていたので、練習から100%で取り組んでいましたし、息が上がるくらいに激しくやっていました。
原 長谷部(誠)なんかは、ドイツでずっとやってるから、大したもんだな。
鎌田 10年もあそこでやっているのは本当にすごいことだと思います。
原 練習メニューというより、激しさの部分でJリーグと違いを感じる?
鎌田 練習の内容も全然違いますね。僕がいた鳥栖はシンプルな練習が多かったんですけど、フランクフルトではやったことのないメニューが多くて、慣れるまでは時間がかかりました。キック一つをとっても、正確に蹴らないと怒られる。スピード感はまるで違いますね。


原 こっちでは食事はどうしているの?
小池 朝と昼はチームで出してくれて、夜は食べに行ったり、作ったりです。
原 作れるの?
小池 一応共同のキッチンがあるので。
原 日本でもやってたの?
小池 日本ではやってないです。寮だったので。


原 鎌田は結婚してたよね。奥さんも来ているの?
鎌田 いや、まだ来ていないです。来年の1月に来る予定ですけど、フランクフルトにいた時も、半年くらいはひとりだったので、ほぼ外食でしたね。
原 小池君のように、Jリーグに入らずに、いきなり海外行く選手が出てきた一方で、Jリーグも外国枠籍選手の枠を広げて、競争を高めていこうという考えがあるけど、選手の立場から見て、どう思う?
鎌田 海外でプレーして感じるのは、ヨーロッパのサッカーと日本のサッカーは全然違うということ。だから日本で活躍できても、こっちで活躍できない選手もいるし、逆にこっちで良い選手が日本でフィットできるかわからない。
ただ、いろんな国の選手とやれるのはいいことだし、競争が激しいのもいいこと。もちろん、良さだけではないと思います。フランクフルトは多国籍で、ドイツ人が1人も出ていない試合もありましたから。言語もそうだし、文化も違うので、いろんな国の選手が集まることで、当然難しさも出てくると思います。
原 ヨーロッパは国がEUの概念だからね。いろんな国の選手と一緒にやれる環境がある。でも、アジアの場合は、それが難しい。Jリーグがさらにレベルアップをするためにも、外国人選手と真剣勝負できる環境を作らないといけないよね。
鎌田 あと、Jリーグの場合は、毎年のように優勝チームが変わりますけど、ヨーロッパは1つか2つ、強いチームがあって、他のチームはそこを目指しながら戦っている。そういう構図が生まれることも、レベルアップにつながるかもしれませんね。


原 たしかに、そういうチームが出てきてもいいよね。鳥栖もフェルナンド・トーレスが来て、刺激が生まれているから。若い選手がお手本にするだけじゃなくて、世界的な選手と競争できる環境にしないといけない。外国籍選手と勝負してポジションをつかめたら、きっとヨーロッパに行っても通用するし、代表にも入っていける。
そういう高いレベルの競争が必要かなと。Jリーグもいろいろチャレンジしていかないとね。これでいいやとなったら、これ以上発展していかないと思うから。最後に鎌田にひとつ質問があるんだけど。「もしJリーグがなかったら」、今頃どんな生活を送っていたと思う?
鎌田 それは最近、ちょうど考えていたんですよ。周りの友達が就職活動の時期だったので。僕の場合は、今サッカー選手をやっていて、収入的な部分でいうと、上が見えないというか、すごく活躍して世界的な選手になれば、いくらでも稼ぐことができる環境にあると思います。
でも、サラリーマンだと、ある程度限界がありますよね。僕の性格的に、先が見えてしまうことはやりたくない。だから、もし自分がサッカー選手ではなかったとしても、起業したりとか、自分でアクションを起こしていると思いますね。やっぱり、リスクを冒さないと、上には行けないと思っているので。
原 自分で会社を興して、稼ぎたいんだ。
鎌田 起業するのもそうですし、最近だとユーチューバーとかも稼げるじゃないですか。何がうまくいくかわからないですけど、何かしら行動はしていたと思います。

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