6月24日(水) 2009 J2リーグ戦 第23節
鳥栖 0 - 0 富山 (19:03/ベアスタ/3,471人)
スカパー!再放送 Ch180 6/26(金)07:30〜(解説:サカクラゲン、実況:南鉄平、リポーター:ヨンヘ)
☆勝敗予想ゲーム
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内容が伴って勝利を得ることができれば、至福の瞬間である。と同時に、次の試合への期待が高まり、一気にボルテージは上がる。高望みは禁物だと頭では理解しても、心の中の片隅では淡い期待を寄せてしまう。試合終了のホイッスルを聞くまでは勝利を確信し、勝手に描いたイメージと目の前に起きている現実とのギャップはさほど気にはしない。でも、試合終了と同時に現実を受け入れなければならない瞬間が訪れる。スコアレスドローだった試合に、何かしらの希望を見つけ、次節に一縷の望みをつないではみても、素直に現実を受け入れきれないときもある。
第23節鳥栖対富山戦は、両チームのサポーターに現実を突きつけると同時に大きな期待を抱かせた内容だった。
まずは、鳥栖を見てみよう。
前節(第22節C大阪戦)と同じメンバーで今節の試合に臨んだ。応援するサポーターとファンの脳裏には、前節のアグレッシブな鳥栖のサッカーの残像が残っている。当然のごとく、今節の試合でもその残像通りにすべてを終わらせたかった。しかし、キックオフと同時に富山は中盤からの激しいプレスで鳥栖の自由を奪っていったためにポゼッションは消えてしまい、ロングボールに頼らざるしかなかった。
結果、MF高地系治は「全体的な距離が広かった」と振り返り、MF武岡優斗は「スペースがたくさんあったように見えた」と振り返った。ピッチ内で選手が感じた通り、鳥栖の選手の間には、富山の選手たちの姿があった。その富山の選手を外してボールをつなぐには、高くて長いボールが必要である。必然的に高さのあるFWハーフナー・マイクを狙ったボールが多くなる。彼はヘディングには強いので、この選択も誤りではないが、富山も対策は立てていた。MF渡辺誠は「ロングボールへのカバーリング『も』できていた」、DF濱野勇気は「高さでは勝てないので、できるだけDFラインを高くすること『と』、ペナルティーエリアに近づかせないことを心掛けた」と事前のスカウティング通りであったことを教えてくれた。この『も』と『と』が表すとおり、富山は多くの鳥栖対策を立てていたのである。
次に富山を見てみよう。
鳥栖と同じく、前節と同じメンバーで試合に臨んだ。前々節でC大阪を破り、前節ではアディショナルタイムまで甲府に勝ち越していたサッカーを今節も仕掛けてきた。少ないタッチ数で近くの選手につなぎ、徐々にゴールに近づいていった。前が詰まれば、MF長山一也が逆サイドに展開し、渡辺誠が低い位置でのフォローに入る。ボールを動かして時間をかけている間に、FW石田英之がDF裏のスペースを見つけ、FW永富裕也がくさびの動きを入れると同時に果敢に飛び出していった。
しかし、90分間をこの動きで続けても、鳥栖のDFは最終の所で身体を張って守ってきた。FWに高さが無いので、DF裏を突くのは大事なことである。石田のスピードを生かすためにも、繰り返し行う必要がある。交代で入ったFW木本敬介、MF姜鉉守にもそこを求めたが、ペナルティーエリア内は遠かった。
互いにシュートは放つものの、決定的なシーンはさほど多くは無かった。鳥栖は、44分と89分からのFKからのハーフナー・マイクのシュートで富山ゴール迫ったが、GK中川雄二に拒まれた。富山も、40分と59分に石田が、87分には木本が決定的なシュートを放ったが鳥栖ゴールを揺らすことはできなかった。90分間を通して、お互いに自チームの選手の特徴を生かして相手のウィークポイントを突き続けたが、得点が取れない現実を見せ付けられてしまった。
しかし、悲観ばかりをすることはない。次につながるプレーも見せてくれた。90分間をファイトする運動量と勝ちたいという気持ちを最後まで見せてくれた。イメージどおりに90分間をやり通せるわけではないので、決定機が少なければそこに至るまでの回数を増やせばよい。互いの持ち味を生かして…。90分間をファイトし続け、最後まで気持ちを切らせなかったからこそ、お互いに無失点で終了することができた。これは、必ず次節につながるプレーである。
だからこそ、両チームとも今節まで、先制点を取ると負けていなかったのである。お互いに次節が楽しみである。
どんなに華麗なパス回しでボールを運ぼうとも、素早くゴールに迫ろうとも、シュートを打つのは一人である。
しかも、そのシュートの多くは足か頭で打たれるものである。ゴールの前には、全身を使ってゴールを阻止するGKがいて、容易くゴールを割れないようにしている。
これほど1点を取るために苦労するスポーツはサッカー以外には見当たらない。
シュート本数に比例して得点が入るわけでもないので、シュートのタイミングと位置、距離と強さが重要である。
サッカーは、シュートに至る過程を多いに楽しみ、シュートを見た瞬間に一気に感情を爆発させると、選手と同じ気持ちになれるかもしれない。
苦労してボールを運んでも、最後の番人が全身を使って(手を使って)阻止をする理不尽なスポーツでもある。
しかし、その理不尽さが得点したときの喜びを倍増していることも間違いない。
サッカーの試合では、どこを取っても面白さに満ち溢れている。
以上
2009.06.25 Reported by サカクラゲン
J’s GOALニュース
一覧へ【J2:第23節 鳥栖 vs 富山】レポート:シュート数は上回ったが、ポゼッションでは負けていた鳥栖。富山の健闘と選手間の距離にいいところを出せず仕舞い。第1クールに続いてスコアレスドロー。(09.06.25)
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