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【J1昇格プレーオフ:決勝 京都 vs 徳島】京都側レポート:京都、昇格を逃す。来季、もっと強くなろうとする京都の姿は見られるか。期待したい―。(13.12.09)

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試合終了の笛が鳴る。その場にうずくまる者、仰向けに倒れたり、立ち尽くしたり、終了直後の京都の選手の姿に言い様の無い感情が湧きおこる。見ている方も辛かった。
京都は、この決勝に安藤淳を先発起用。まだチームに合流したばかりだが、染谷悠太が痛み、そのセンターバックに酒井隆介を配置し、右サイドバックに安藤を大胆に起用した。
序盤こそ互いに潰し合う様な展開だったが徐々に京都がボールを展開していく。7分にはミドルで、14分にはCKから頭で合わせ、徳島ゴールに迫る。27分にはクロスからゴール前に流れ込む勢いを見せ、33分には駒井善成のドリブルから横谷繁へ渡り、フィニッシュへとつなげた。しかしゴールを割ることが出来ない。
すると39分、徳島・アレックスのブレ球ロングシュートが相手に当たりCKになると、これを千代反田充が頭で合わせ徳島が先制する。
さらに、その4分後、徳島のロングボールを高崎寛之が頭で流すと、津田知宏が裏へ。京都DFが足を伸ばすも、これを津田がきっちりと決め徳島が0−2とリードを広げる。

後半、徳島が前に出て京都ボールを奪いにかかる。これがはまり何度かゴールを脅かされる。だが、京都も冷静さを取り戻すとボールをつなぎ始める。そして、原一樹(out山瀬功治)、三平和司(out倉貫一毅)を投入。横谷を一つ下げる。
再三ゴール前へボールを送るもなかなか徳島ゴールをこじ開けられず、最後は宮吉拓実(out安藤淳)を送り込み、どんどん前線にボールを配給するが、1点が遠く遂にタイムアップ。またもや京都は昇格を逃した。と同時に、徳島が初の昇格を決めた。これには称賛を送りたい。

京都のここ最近を簡単に振り返ると、7連勝の後、神戸、G大阪戦と勝利から離れ、その後、水戸、栃木、プレーオフの長崎戦と5試合勝利から離れていた。この間、奪ったゴールはわずかに1。プレーオフはリーグとは全く別の大会で、決勝戦の内容は強く批判されるものではないという思いは強くあるが、これまでの流れを引きずっていた部分はあるだろう。本音を言えば、プレーオフではある程度、良さを取り戻すだろうと願っていた部分もあり、得点が入れば状況は大きく変わると思っていた、だが1点が遠かった。

なぜそうなったかと推察すると、まだ自分たちのサッカーを自在に使いこなす所まで到達していていない部分はあるだろうと思う。
11分に右サイドで駒井が相手DFの背中を取ってニアにクロスを入れた場面があったが、素晴らしいプレーだと思った。完全に相手の背後を取ったプレー。「相手の背中を取る」。これを何度もチームとして繰り出せなかったか。その為にどんな動きが必要か、ということである。駒井だけでなく、山瀬、横谷、工藤、倉貫、時には秋本や福村(貴幸)、安藤でも良いだろう。彼らが相手DFの背後を取るにはどんな動きや、ボールの回し方が良いのか。ワンツーという手もあれば、中盤からのミドルレンジのスプリントもあるだろうし、ボールを収めて、そこに相手の意識を集中させてその隙にスペースを見つけた誰かが一瞬飛び出すというのもあるだろう。相手を前にドリブルを仕掛けるシーンは多くて面白かったが、相手の背後を取るための、「こんなやり方もある」といった創造性のあるプレーは案外少なかったのではないだろうか。
その中で、駒井がああいうプレーをしたのは素晴らしいことだと思ったし、個人的には高く評価したい。

裏を取るプレーだけを切り取ると、攻撃の仕上げ部分で足りない部分があったと思われるかも知れない。
視点を変えて「攻撃」について考えてみる。具体的には「センターバックがボールを収める。そこからつないで相手ペナルティエリア付近までボールを運べる」としてみる。現在Jリーグでこれを期待できるチームはどれくらいあるだろうか。個人的な見解では、今季優勝した広島、F東京、そしてG大阪がまず挙がる。その他ではどうだろう。パワープレイでもないのに、相手のプレッシャーに対し、一発で裏を簡単に選択するチームが多いのではないか。「つなぐ」ことを標榜しながら、実はプレッシャーがかかるとすぐつなげなくなるチームの方が多い。
その中で、京都は「相手からプレッシャーを受けてもボールを運べるチーム」を目指して練習を積み重ねて来た。その中で、7連勝し上手くいっている時期もあれば、その後、勝利が遠ざかり上手く出来ない時期もあったということだ。
しっかりと、攻撃できる自信、そして確信まで到達することで、先ほど述べた最後の「相手DFの背中を取る」プレーも余裕を持って生まれてくるのではないか。もちろん、相手ボールを奪取したり、さらには、偶然の要素を多く含んだゴールシーンもある。だが、ここ一番の試合で、決定機を多く作りだす要素はこちらの方が強いのではないか。

試合後の会見で、「京都は自動昇格するくらいの力がないとダメでは」という内容の質問があったが、この状況ではそれを言われても仕方がない。でも、これからサッカーを続けるのなら「負けられない」という試合は絶対にある。それを避けられないのなら、勝ち切る力を付けることを目指す方が王道だと思う。(それは、プレーオフを指すだけでなく、これからの他のタイトルや残留、昇格などかかった試合も含めて)
京都にはまだ自分たちの力を伸ばせる部分はある。逆に言うと「まだ力不足の部分もある」ということ。現に、前から激しくプレッシャーに来る相手に後手を踏む試合もあった。なぜ相手のプレッシャーに対し、ボールを運べないか、という視点だけでも京都のまだ足りない部分は観えてくる。

今シーズンはこれで終了した。まず何より選手、監督、スタッフ、そしてサポーターの労をねぎらいたい。個人的には、もっと強くなれるはずなのに、という思いが強く湧き上がっているところである。

以上

2013.12.09 Reported by 武田賢宗
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