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【第94回天皇杯 2回戦 F東京 vs 秋田】レポート:F東京が秋田に8得点で大勝。順当に3回戦へ進出(14.07.13)

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F東京は12日、味の素スタジアムで天皇杯2回戦を戦い、秋田に8−0で大勝。11分の三田啓貴のゴールを皮切りに大量得点で順当に3回戦へと駒を進めた。秋田は最終ラインから丁寧にボールを運んだが、アタッキングサードから先のエリアで精度を欠いてゴールを挙げることはできなかった。

F東京にとっては、1週間後に再開を控えるJ1リーグに向けた前哨戦。中断期間中で取り組んできたことが、どこまで形になったかを試す絶好の場となった。試合開始から「前から取りにいく意思統一はできていた」(太田宏介)というF東京が圧力を掛けた。
秋田も1タッチ、2タッチでボールを動かし、F東京のプレスから逃れる場面もあった。だが、ミドルサード、アタッキングサードとボールがゴールに近づく分だけ、その精度が落ち、パスミスによるボールロストが目立った。
狙い通りの形がはまったF東京は、ボールを次々に回収すると、そこから素早く攻撃を仕掛けた。11分、武藤嘉紀が右サイドを抜け出して中央へ。河野広貴がスルーし、エドゥーが繋ぐ。ボールを受けた三田は、左足を振って豪快に先制のネットを揺らした。
さらに、22分には高橋秀人のシュートがポストをたたき、その跳ね返りを河野が押し込む。26分、森重真人がロングシュートを放ち、29分にエドゥーがPKを決めて前半を4−0で折り返した。
後半に入ってもF東京の勢いは収まらず。太田が48分、今季公式戦初となるFK弾を決め、58分にはエドゥーが右足で得点を挙げて続く。62分、途中出場の平山相太が左足で決め、同じく途中からピッチに入った渡邉千真が84分に8点目を挙げてクラブ最多得点の8得点を挙げて、秋田を退けた。

F東京は、大量得点の裏側でいくつかのチャレンジを行っていた。4点目を奪ったあたりから中断期間中に取り組んできたビルドアップの形を積極的に試した。GKがボールを持ったときに、アンカーの高橋が最終ラインの2センターバックの間に落ち、両サイドバックの2人のポジションを高くする。そこから丁寧に繋ぐのだが、テンポよくボールが回るときと、そうでないときがハッキリしていた。精度は、まだまだ改善していかなければいけないだろう。

また、試合序盤から飛ばし気味に入り、前からボールを奪うことに成功した。運動量が落ちかけた63分には、FWを1枚削って羽生直剛を入れ、システムを4−3−1−2から4−4−2へと変更した。この戦術的変更も中断期の練習試合では頻繁に行われていた。選手は混乱なく対応し、スムーズな移行を見せていた。フィッカデンティ監督は中盤に多くの運動量を求めるため、このシステム変更は今後の夏場の戦いで多く用いられることになるだろう。

そして、ボールを保持し、体を休ませるポゼッションも行っていた。敵陣まで一度、ボールを運んで押し込み、そこからフリーの最終ラインへと再び戻す。下がった相手はもう一度、全体を押し上げなければいけなくなり、体力をさらに消耗させることもできる。これは、リードを奪ったときの常套手段となるはずだ。
だが、この体を休ませるボール回しを行った際、F東京サイドのスタンドからブーイングが起こった。この光景に驚いたのが、秋田のMF熊林親吾だった。
「F東京の選手たちがペースダウンしたときに、サポーターがブーイングをした。サポーターが選手を育てるというけど、これがトップリーグなんだと思い出しました。F東京の選手たちはそこから最後まで手を抜かずにプレーしてくれた。サポーターも含めて尊敬する姿だと思いました」

一方で秋田の主将が抱いたのとは、別の考え方もあるはずだ。この試合において、実はこの場面が一番興味深かった。アグレッシブな姿勢を貫くことと、勝ち方を覚えること。この狭間にいるF東京は、どちらを目指すべきなのかを考えさせる一場面でもあったのかもしれない。
1週間後、J1が再開する。天皇杯初戦はF東京にとって課題と収穫を得た一戦だった。そして、J3も同日に再開する。熊林は「この大敗をチームの財産にしなければいけない。J3だともっと回せるけど、それに麻痺していたと思い知ったはず。この経験が徐々に薄れてはいけない」と言葉にした。

以上

2014.07.13 Reported by 馬場康平
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