■福元 洋平(ふくもと ようへい) 1987.04.12生まれ 181cm/68kg 大分トリニータ |
昨年は大分ユース所属ながらU-19日本代表の中で誰よりも早く所属チームでレギュラーポジションを奪取、大分のJ1残留に少なからず貢献した。その自信なのだろうか。「今日の試合は大丈夫かも」と思わされてしまうような何かを滲ませているのだ。
今遠征の初戦となったU-19インド代表戦(5/25)。実力的に格下の相手に攻めあぐねた。FWにはなかなかボールが収まらず、中盤でもミスからカウンターを食らうこともしばしば。ただ、ゴール前は死守し、ディフェンスラインも安定感を見せた。攻められながらも決定的に危ない場面というのは見当たらなかった。昨年、2-5での大敗を9月、10月と続けて喫した頃からの成長が見られるのが、この崩れない守備陣。そしてその中心にいるのが福元というわけだ。
「やっぱりフクがいるのが大きい」と大分でのチームメイトでもある梅崎司は話す。「人にも強いし、ヘディングも強いし、見るところは見れるし。全部持っている。あんまりいないですよね」とべた褒めだ。確かに、センターバックは大きく二分することが出来る。人に強くまず潰しにいくことを得意とするタイプと、危機察知能力に長けもう片方のセンターバックのカバーに回るタイプと。現時点での福元は両方の特徴を兼ね備えたセンターバックとして、チームに安定感をもたらす核なのだ。
この日のGK秋元陽太(横浜FM)は、こう言う。「確かに、そこにいるだけで違う。リーダーシップを取ってくれる」。福元はさらにキャプテンシーも持ち合わせており、今やこのチームには欠かせない存在なのだ。
Jリーグでは、今季は不調も経験した。4月前半、チームの2連敗の2戦目となったアウェイの清水戦では相手攻撃陣にさんざんに振り回され、挙げ句にまともにキックも蹴れないほど。そんな報告を受けたU-19日本代表の吉田監督が「なんか自信をなくしているらしいね」と苦笑いしながら話すほど、低パフォーマンスの目立った時期もあった。しかし、そこからは完全に立ち直った。「落ち込んでましたけど、しばらくしたらケロっとしてますから」とは大分の同僚・GK西川周作の弁。どうやって立ち直ったかは彼のみぞ知る…だが、きっちりと今に至っているのはさすがと言っていいだろう。
1-0で辛勝したU-19インド代表との1戦目のあと、「耐えられて、勝てて良かった」と口にする選手が多い中、福元も同様のコメントも発した。しかし、彼は反省も忘れなかった。「もっと強い相手だったら5点くらい取られていたかもしれない」。別にインドに勝つこと自体が目的だったわけではなく、やるべきことを実践しなくてはいけなかった…。早くもAFCユース本番を見据えた、そんな口振りだった。
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2006.05.28 Reported by 了戒美子