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【J2:第30節 鳥栖 vs 水戸】レポート:シュートの応酬で、攻防の駆け引きを堪能できた一戦。最後まであきらめずに戦った選手たちに敬意を表する。 90分の攻防に昇格をかける意気込みを見た試合。(09.07.26)

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7月25日(土) 2009 J2リーグ戦 第30節
鳥栖 1 - 3 水戸 (19:03/ベアスタ/4,669人)
得点者:6' 菊岡拓朗(水戸)、59' キムテヨン(水戸)、65' 吉原宏太(水戸)、77' 高地系治(鳥栖)
スカパー!再放送 Ch185 7/27(月)21:00〜(解説:乾眞寛、実況:南鉄平、リポーター:ヨンヘ)
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時にサッカーとは、フラストレーションを与えるスポーツなのかも知れない。
打てどもシュートは決まらず、流れるパス回しで相手を翻弄しても得点にはならない。どんなに不細工でもゴールを割れば得点であり、1回のミスが命取りになることもある。また、どんなに頑張っても勝利を手にするわけでもなく、さりとて頑張らないと相手を負かすことはできない。しかし、敗れても拍手を贈りたくなる試合もあれば、結果だけに満足を求めるしかないような試合もある。

今節の鳥栖対水戸は、結果を抜きにしてみると互いに持てる力を出して戦った内容だった。しかし、鳥栖のサポーターにしてみれば内容には満足しても、どこか腑に落ちない試合だったように感じる。対して水戸サポーターは、耐えて耐えて得た結果に、内容よりも大いに満足しているに違いない。サッカーはチームプレーだが、今節の鳥栖対水戸に関して言えば、局面での個人対個人の戦いを見ても堪能できる試合であった。

鳥栖には、ポストプレーと高い打点を持ったハーフナーマイクがいる。
彼の加入が、チーム内に自信と結果を出し始めて、直近の10試合では負けることがなかった。彼とコンビを組む山瀬幸宏は、起点にもなればフィニッシュまでも持っていくパワーがある。この二人に両サイドから長短を織り交ぜた正確なクロスで絡むことで、鳥栖の攻撃力は間違いなくJ2の中では強力である。水戸は前半からサイドの起点をつぶしにかかったが、それを上回る攻撃の幅を鳥栖は見せた。

鳥栖の左サイドには、DF日高拓磨とMF島田裕介が入った。前節同様、スピードとテクニックで水戸の右サイドをたびたび崩していた。これに、MF高地系治とFW山瀬幸宏が絡むのである。二人ともレフティで、自然と左サイドでボールに絡む機会が増えてくる。彼らの自在なポジションチェンジは、水戸の狙いである「できるだけ高い位置からプレスをかけることと、鳥栖のFWに入る前のサイドからのクロスをあげさせないこと」(木山監督/水戸)をかわすだけでなく、右サイドからの攻撃も機能させていた。
前半だけで、15本のシュートを水戸ゴールに浴びせていた。攻撃の幅がどれだけ広かったかを証明するには、各人のシュート本数を見るのが一番わかりやすい。
DF飯尾和也(1本)、日高拓磨(2本)
MF高橋義希(3本)、高地系治(1本)、島田裕介(2本)
FW山瀬幸宏(3本)、ハーフナーマイク(3本)
である。左右長短のシュートレンジを確保できていたことを理解いただけると思う。
それでも、無得点だからサッカーはややこしい。

水戸は、シンプルな攻撃に終始した。MFとDFが連携して鳥栖の攻撃に耐えた。奪ったボールは、FW高崎寛之の高さを生かして前線へ送り込んだ。6分にその高さを生かしてFKを得た。キッカーは、菊岡拓朗。壁の横からコースを狙ったシュートを放ち、鳥栖のゴールを揺らした。
水戸も反撃のチャンスを幾度か作りシュート7本を放ちはしたが、鳥栖の猛攻の前では前線にシンプルなボールを送ることに終始するしか方法はなかった。
それでも、1得点でアドバンテージを持ったまま前半を終了するから、サッカーは難しい。

後半に入ると、鳥栖の攻撃は勢いを増した。
ヘディングに強い山田卓也を入れてサイドからのクロスボールを狙わせた。しかし、ボールは入るもののフィニッシュは遠かった。
前半同様にシュート数を見てみよう。
DF柳沢将之(1本)、内間安路(1本)、日高拓磨(1本)
MF高橋義希(2本)、高地系治(2本)、山田卓也(1本)
FW山瀬幸宏(1本)、ハーフナーマイク(3本)、トジン(1本)
と、さらに攻撃に奥行きが加わったことがわかる。ミドルレンジやDFの攻撃参加が増えたことがわかるが、前半に比べペナルティエリア内のシュートは減っている。77分に高地系治が決めたミドルシュートも、水戸ゴールまで30mの距離があった。
積極的にゴールを狙ってはいたが、ペナルティエリアでは水戸DF大和田真史と中村英之が身体を張ってブロックし、GK本間幸司が積極的に飛び出してシュートコースに入ることで、鳥栖の反撃を1点に抑えることができた。
シュート本数が、そのまま結果につながらないだけにサッカーは面白い。

水戸のDFの踏ん張りに、MFとFWが有効に応えたのが、59分と65分である。
後半開始から入ったMFキムテヨンが一瞬の隙を突いてミドルシュートを決めると、65分にはFW吉原宏太がカウンターを冷静にゴールに流し込んだ。
前掛かりになった鳥栖の攻撃を突いた得点は、鳥栖に11試合ぶりの敗戦を与えただけでなく、水戸と勝点差を3と広げ、第1クールに続いて鳥栖の勢いをそぐことができた。昇格争いを繰り広げる上位に対して、水戸が第2集団の先頭を走ることになった。少ないチャンスでもサッカーは勝点3を得ることができるだけに、サッカーは最後まで目が離せない。

互いに持てる力を出した鳥栖と水戸。
敗れた鳥栖のファンからも大きな拍手と声援が贈られていた。
負けた悔しさを超える感動を選手たちは見せてくれたし、最後まであきらめない姿勢が共感を呼んだ。
90分間を選手とスタッフ、そしてスタンドで見る人すべてが共有し一体となったゲームだった。
敗れた鳥栖の一部のサポーターの怒りも理解はできるが、悔しさのはけ口を探すのではなく、最後まで戦った選手たちをたたえる姿勢にスポーツの素晴らしさ、サッカーの魅力を見ることができた。
これだから、サッカーの応援はやめられない。

以上

2009.07.26 Reported by サカクラゲン
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