「格の違いを見せてくれた」
チームに合流して4日目で先発出場させた梶山陽平への指揮官の評価である。そして田坂和昭監督はこう続けた。「彼が入ることでチームに安定感と自信を与えた。他の選手に相乗効果を生み、やろうとしていることが形にできた」。
スコアレスドローで勝点1を分け合う形になったが、相手がシステムを変更し大分の長所を消してきたなかで、ボールを動かし、サイドを使った自分たちのサッカーができたことに手応えをつかんだようだ。その中心にいたのが梶山だったのは確かだ。ワンタッチパスで攻撃に変化をつけ、ときには自らがボールをキープし後ろからの攻撃を促す。これまでの大分にない攻撃のアクセントをつけた。田坂監督はチームの救世主であり、ラストピースをついに手に入れたのかもしれない。
梶山効果は顕著だった。「(ジョルジ)ワグネルは攻め残るから後ろのスペースが空くのは分かっていた」(梶山)と、マッチアップする為田大貴がそのオープンスペースを突くと、すかさずボールを展開してリズムを作った。17分、27分と為田が決定機を演出した場面は、梶山のパスがはじまりだった。為田だけでなく、1トップに位置する高松大樹にクサビのパスを入れ、土岐田洸平のオーバーラップを促し、ボランチでコンビを組むロドリゴ マンシャが攻め上がるタイミングをつくるために時間を作り、あらゆる局面で相乗効果をもたらした。後半の中頃から運動量が格段に落ちたが、絶妙なポジショニングと強靭な体を生かした早い寄せでピンチを未然に防いでもいる。
「点を取れない課題は出た」(田坂監督)が、悪い流れを断ち切る試合だったことは確かだ。
一方、最下位のチーム相手に勝点を1しか積み上げられなかった柏だが、リーグ戦7試合ぶりの無失点に抑えたことは収穫だった。「ピッチの状況が良くなかったのでビルドアップが難しく、質が上げられずに守備面が目立った」と外的要因を口にしたネルシーニョ監督であったが、4−4−2から3−4−3にシステムを変更したことで、守備的になった感はある。大谷秀和が最終ラインに入ってビルドアップに参加し、茨田陽生が中盤のバランスを取ったため、攻撃への厚みが出なかったが、守備は安定した。
いつもならレアンドロ・ドミンゲスを経由する攻撃の回数が減り、王様はイライラする場面が多々あったが、カウンターでチャンスを作った。39分には工藤壮人が単独突破を図りシュートを放つが、わずかにゴール左にそれた。また55分にはジョルジ・ワグネルが左サイドからクロスを上げクレオに合わせるが、ミートできずにゴールを捉えることができなかった。
ネルシーニョ監督は、「難しい局面を作られた。相手は5トップ気味になり先手を取られることが多かったが、最後まで踏ん張った。今日勝てば順位を上げるチャンスだったが叶わなかった」と振り返った。相手のストロングポイントを潰して、訪れたチャンスを確実にものにすれば、プラン通りの勝利を収めていたのだろう。ただ、「勝点1を積み上げたのは次につながる」と悪くはない結果に満足した様子だった。
以上
2013.08.11 Reported by 柚野真也
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