現在、暫定10位と中位に位置する清水は前節、ホームにJ1残留争い真っただ中のG大阪を迎え、1-2の敗戦を喫した。韓国代表FWのファン ウィジョの巧みな動きを止められずに前半のうちに2失点を喫し、1点差に追い上げるも勝点を失う結果となってしまった。
ただ、特に後半は追う立場になった展開も関係していたものの、迫力のある攻撃でG大阪ゴールに何度も迫っていった。ドウグラスと北川 航也の2トップのコンビネーションから追撃弾を挙げたシーンは、あらためて清水の攻撃陣の潜在能力の高さを示していた。また、進境著しい若手DF立田 悠悟や途中出場の村田 和哉のシュートが立て続けにポストに阻まれるなど、あと一歩のところで同点、逆転という展開を見せていた。ヤン ヨンソン監督も「実際に数えてみたら、11~12回のチャンスを作っていた。攻撃面ではチャンスを作れているので、次に生かしていきたい」とポジティブに語り、今節・FC東京戦への明るい兆しを示した。
基本システムは4バックの清水だが、G大阪戦でも後半に見せたように、攻勢に出る際は左右両サイドを高めに上げた3バックに変更する策を持つ。今節も柔軟な戦い方を駆使し、ドウグラスや北川、白崎 凌兵や金子 翔太といった多彩な攻撃陣の力を発揮できるかが勝利への焦点となる。
対するFC東京は前節、トップを走る広島とのアウェイ戦を1-1で引き分け、これでリーグ戦7試合勝利なし(3分4敗)となった。以前は首位・広島を追いかける最右翼として2位につけていたものの、現在は暫定ではあるが3位は死守するも、トップとの勝点差は『13』にまで広がっている。リーグ戦は残り7試合で、念願のタイトル獲得は現実的に難しい状況だが、なんとか上位戦線に踏みとどまるべく、ここで8試合ぶりの勝利が欲しいところだ。
チームの戦いは悪くはない。結果が出ない悩ましい日々を送るものの、この勝利なしの間も毎試合相手をしっかり攻め立て、守備組織も依然大崩れしていない。その証左に、現在でも1試合の平均失点は1点以下を保っている。
だからこそ、何度も相手ゴールに迫りながらも加点できない状況が、余計にもどかしく感じる。選手たちも「相手を崩すことができている場面もあるし、どうしてここまで点が取れないのか、勝てないのか分からないところはある」(橋本 拳人)と語る。ただ、広島戦でもスペースを突く意識と連係を駆使した丁寧な崩しから好機を作っていた。「いまはとにかく練習でも試合でも、これを続けるしかない」(東 慶悟)と、できることを最大限続けることで勝利を手繰り寄せるしかない。
この清水戦の前座には、今年クラブ創設20周年を迎える記念行事としてOB戦が開催される。レジェンドのアマラオや数々の日本人選手たち、さらにはケリーやジャーン、ルーカスといった助っ人も集結する。トップチームも清水戦は20周年記念の特別ユニフォームを着用して戦うだけに、クラブの歴史をかみしめるためにもホームでの勝利が不可欠となる。
[ 文:西川 結城 ]