FC東京は1月28日にフィリピンのセレス・ネグロスとプレーオフを戦い、大雨と劣悪なピッチコンディションに苦しみながらも2-0で相手を下し、本戦出場を決めた。
その一戦でお披露目となったのが、新システム。ここ2年、国内ではリーグ優勝を争いながらも得点力不足に泣きタイトルを逃してきたことを受け、長谷川 健太監督が攻撃力増強のために決断したのが、これまでの基本布陣[4-4-2]から[4-3-3]への移行だった。
ピッチの至る場所に水たまりができ、思うようにボールが転がらない試合展開となったセレス・ネグロス戦。本来は新布陣が公式戦でどこまで機能するか、または新戦力の現状も見たかったところだが、正直戦術的にも個人の出来としてもなかなか参考になるようなプレーは見られなかった。ただ、例えば3トップのセンターFWとしてプレーしたアダイウトン(磐田から加入)が力強い推進力を生かして得点を決めるなど、「武器であるパワーとスピードは出せた」(アダイウトン)ところは好材料だった。
セレス・ネグロス戦以降も東京・小平の練習場で調整を続けてきたチーム。「(ACL開幕が早期だったため)今年は2次キャンプを組めなかったので、ここでもう一度体を追い込むトレーニングも行った」と長谷川監督もメニューバランスに苦心した様子だ。さらに今月5日には沖縄に1泊2日の弾丸遠征を敢行し、当地で東京Vと練習試合を行った。現在関東ならびに近郊のクラブはシーズン開幕に向けてどこも沖縄や九州でキャンプ中。今回の蔚山現代(韓国)戦に向けて有意義な実戦を組む相手がいないため、苦肉の策として行われた。
そこでケガで出遅れていたディエゴ オリヴェイラや橋本 拳人といった替えの利かない主力勢も復帰。ディエゴ オリヴェイラはアダイウトン、レアンドロ(鹿島から加入)と“ブラジルトライアングル”を形成し、「お互いに良い連係でプレーできた」と好感触を語っている。
対する蔚山現代。昨季はFC東京同様、国内リーグでは常に優勝争いをけん引する立場で好調を維持しながらも、最後の最後でライバルの全北現代に上回られ、2位で終わった。昨季リーグMVPに輝き、日本でもC大阪や柏などでプレーしていたキム ボギョンは、そのライバルの全北現代に移籍してしまったが、同じく日本でプレーしていたイ グノ、パク チュホといったベテラン勢や、ブラジル出身のストライカー・ジュニオール ネグランなど、依然実力者がそろう。そして監督も1990年代に神戸で活躍した元韓国代表FWのキム ドフン氏が務める。
長谷川監督は「昨年と大きくメンバーも替わっていない。おそらく激しく、強度高くプレーしてくる。初戦の相手が韓国のクラブというのは、かなり難しい試合になる。覚悟をして臨みたい」と強く意気込む。敵地に乗り込み始まる、2016年以来のACL参戦。FC東京は新布陣と新加入選手の出来が、勝敗を左右する。
[ 文:西川 結城 ]