あと少しで勝利できた試合だったが、「韓国での初戦は難しい試合になるのは当然。そこでの引き分けは悪くない結果ではある」と、長谷川 健太監督も最低限の結果を出すことはできたと受け止めている。
結果もさることながら、90分間で見せた試合内容からもチームは悪くない感触を得たようだ。
今季はタイトル獲得に向けて得点力アップを念頭に置き、1月の沖縄キャンプから新布陣[4-3-3]に着手。この蔚山現代戦ではディエゴ オリヴェイラに加え、新加入のアダイウトンとレアンドロを前線に並べる強力布陣を敷いた。
結果は1ゴールに終わってしまったが、タフな蔚山現代守備陣を3人の連係や個人能力で何度も崩してはチャンスを作り出していた。特に3人が布陣全体のバランスを崩すことはないまま、絶妙な位置取りで流動的に攻めていく形が印象的。また守備に切り替わっても全員が自陣まで戻っては体を張って守るなど、献身性も見て取れた。
これら、公式戦での実際のパフォーマンスを見てみないと未知数だった助っ人陣のパフォーマンスを含め、新布陣[4-3-3]がある程度機能を果たしたことも、長谷川監督、そしてチームが手ごたえを感じた理由である。
今節の対戦相手のパース・グローリーは、昨季のAリーグにおいてレギュラーシーズンではわずか3敗のみで1位に輝いたが、ファイナルシリーズではシドニーFCに敗れて2位に終わった。
ACL初出場となるチームを率いるのはトニー ポポヴィッチ監督。1997年から2001年まで広島でプレーした経験を持つ元オーストラリア代表DFで、指導者としても2014年にウェスタン・シドニー・ワンダラーズをオーストラリア勢初のACL制覇に導いた経験を持つ。現在FC東京でプレーする髙萩 洋次郎を、そのウェスタン・シドニー・ワンダラーズ時代の2015年に指導した過去がある。
チームは3バックをベースに、スペイン国籍MFディエゴ カストロのパスさばきを中心に攻撃。最前線ではウルグアイ国籍ストライカーのブルーノ フォルナロリが高い得点力を生かしている。要所にタレントを置いた好チームだけに、FC東京も一瞬のスキを与えるとパース・グローリーの鋭い攻撃が火を噴き、失点を喫することになる。
前節は敵地での善戦となったが、FC東京が得た勝点は1のみ。ホーム開幕戦となる今節は、しっかり勝点3を奪い、このグループFをけん引する立場にもなりたいところ。蔚山現代戦で見せた3トップの攻撃力を、今度は効率的にゴールへとつなげていけるか。ここで快勝を収めれば、当然その後の週末にある明治安田J1開幕戦にも勢いがつく。
[ 文:西川 結城 ]