マレーシア王者のジョホールが出場を棄権し、神戸と広州恒大、水原三星がグループステージ突破を懸けてしのぎを削るグループG。22日に広州恒大と水原三星が0-0のドローとなり、すでに2月の対戦で水原三星から勝点3を挙げた神戸は、25日の第3節・広州恒大戦に勝利すればノックアウトステージに進出できる状況下で、アンドレス イニエスタが圧巻のパフォーマンスを披露した。
[4-2-3-1]システムのトップ下に入った背番号8は序盤から敵の急所を確実に把握し、高精度のパスを繰り出していく。44分に西 大伍のパスを引き出したアンドレス イニエスタは、ペナルティーエリア内で敵DFを引きつけ、スペースを取った古橋 亨梧にラストパス。これを古橋が着実に決めて先制すると、後半に一度は追いつかれるものの、ドウグラスが勝ち越し点を奪ったあと、自らの得点で広州恒大にとどめを刺している。
18日の明治安田J1第31節・浦和戦に敗れ、リーグ戦5連敗と同時に3試合連続無得点と厳しい結果だった。このACLでの戦いに不安を残していたが、フタを開けると3得点を奪い、オウンゴールによる1失点だけに抑える攻守盤石の快勝劇。ボールポゼッションと攻守の切り替えを軸に相手を圧倒するチームスタイルを存分に発揮した。
アンドレス イニエスタは「日本国内では私たちが望むような成績を残すことができず、非常に難しい1年だった」と率直に振り返る一方、強調したのは「新しい、違う大会に臨んでいる」こと。「今後勝ち続けて、行けるところまで行きたいし、違う大会としてモチベーションを新たにやっていきたい」と抱負を述べ、好発進を切ったカタール集中開催のACLで勝ち上がる強い意志を表明している。
グループステージ突破を早期に実現したことで、中2日での再戦となる今節に余裕をもって取り組める好循環をもたらした。アンドレス イニエスタに限らず、現役ベルギー代表の実力を披露し、広州恒大の誇る前線のタレントに仕事をさせなかったトーマス フェルマーレンら主力勢の調整、まだ出場していないプレーヤーが経験を積むなど、複数の選択肢をチームとして勝ち取ったことが何よりの収穫だ。
ノックアウトステージ初戦となるラウンド16では横浜FM、上海上港、全北現代、シドニーFCが所属するグループHの勝ち上がりチームと対戦するが、1位・2位のどちらで通過しても強敵との対戦は不可避。今節は、敗れた広州恒大にとってはグループステージ突破へ、なんとしても勝点3が欲しい重要な一戦であり、本気の相手と戦うことはノックアウトステージを見据えても大きな経験値となるだろう。よりチームとしての士気や選手のコンディションを高める好機とし、常勝の機運を盛り上げていきたいところだ。
[ 文:小野 慶太 ]