突破を確定させて臨んだ4日のACLグループH第6節・シドニーFC戦では、前節・全北現代戦から先発11人全員を入れ替えた。18分に實藤 友紀のファインゴールで先制するも、前半のうちに追いつかれる展開。後半は再三の決定機を決め切れずにドローに終わったものの、最低限の勝点1を積み上げ、自力で1位通過を決めた。
今節は再びターンオーバーを採用し、第5節・全北現代戦から“中5日”となるメンバーが先発のピッチに送り出される可能性が非常に高い。そこで期待されるのは、全北現代戦で左ウイングに抜擢された高野 遼。1対1を仕掛けながら左サイドで優位に立ち、何度も精度の高いクロスを供給した。高野の本来のポジションはSBながら、左ウイング探しに苦労していた横浜FMとって、ノックアウトステージ進出を決めた勝利と同等の価値ある好材料となった。ラウンド16でも高野が、全北現代戦1ゴール1アシストの右ウイング仲川 輝人とともにサイドで主導権をとれるかが焦点の1つとなる。
一発勝負のトーナメント戦ではDF陣の奮闘も欠かせない。守備の要であるチアゴ マルチンスは、コンディション不良から復帰した10月下旬は本来のパフォーマンスから程遠かったが、試合を重ねるごとに動きのキレが増してきた。ACLで出場した2試合はほぼ完璧なパフォーマンスで、相手のキーマンをねじ伏せている。コンビを組む畠中も調子が良さそうだ。ACL再開初戦の上海上港戦では古巣・東京Vの“先輩”である元ブラジル代表・フッキに完勝して勢いに乗ると、全北現代戦では本業の守備はもちろん、得意のクサビのパスも冴えわたった。
そして、その上海上港戦で元ブラジル代表・オスカルのPKを止め、GS突破の流れを作ったGKオビ パウエル オビンナはこう活躍を誓う。 「守備陣が頑張り、攻撃陣に先に点を取ってもらうことが一番。後ろが安定することで、攻撃陣も自信を持って攻められる。何よりも安定した守備を見せることが大事だ」。
対する水原三星は今季、Kリーグ1で8位に沈んだものの、大会に入って調子を上げてきている。ACL再開初戦、第5節と続いた広州恒大戦でどちらもドローに終わり、グループステージ突破に向けて崖っぷちに追い込まれたものの、4日の最終節では突破の条件だった2点差勝利となる2-0で神戸を破り、広州恒大を得失点差で上回ってグループG2位でラウンド16にコマを進めてきた。
堅守速攻スタイルの水原三星に対して、横浜FMがボールを保持する展開が予想されるだけに、前述のDF陣に加えて、喜田 拓也、扇原 貴宏のダブルボランチがカウンターへのリスクマネジメントだけは集中を切らしてはならない。
そして何より勝利が最優先となる一発勝負。水沼 宏太の言葉がすべてだろう。「アジアチャンピオンが見えてきた中、内容うんぬんよりとにかく結果。どんな試合になろうが、結果を求めて一体感を持つことが一番大事になる」。
[ 文:大林 洋平 ]