10日にアルジャノブ スタジアムを舞台に水原三星との準々決勝を戦った神戸。グループステージでは1勝1敗。譲れない三度目のマッチアップは、死闘の色濃い白熱した展開になった。
ラウンド16・上海上港戦で負傷交代したアンドレス イニエスタがベンチスタートとなる中、開始7分に先制点を許してしまった神戸。ただ、38分に西 大伍を倒した相手選手が一発退場となり、獲得したFKを古橋 亨梧が決めて同点。以降、神戸は1人多い状況となったが、より守備に軸足を置き、5バックで守る相手の攻略に苦しむ。延長戦に突入し、終盤にはアンドレス イニエスタもピッチに立ったが、水原三星の守備を最後までこじ開けることはできなかった。
数的優位の展開だっただけに、120分までに試合を決したかった神戸だが、PK戦でも集中した戦いぶりを見せる。一番手を務めたアンドレス イニエスタが成功させると、以降のキッカーも落ち着いて成功させていく。先行の水原三星の7人目が失敗し、神戸の7人目を務めた藤本 憲明が冷静にゴール右へ決めて勝利。死闘の末に神戸の勝ち上がりが決定した。
三浦 淳寛監督は「水原は1人少ない中でも粘り強い守備と、われわれも得点を狙って本当に決着をつけるために、とにかく全力で戦った試合になりました。両チームにとって非常に良いゲームになったんじゃないかなと思う」と相手を称えつつ、準決勝進出を喜んだ。
ただ、気がかりはアンドレス イニエスタの状態だ。負傷を押して最終盤のピッチに立ち、PK戦のキッカーも務めたが、その成功直後には足に手を当てながら痛みをこらえる仕草を見せた。上海上港戦で負ったダメージの深刻さが確認され、次戦の出場が危ぶまれている。それでも三浦監督は「PK、彼が一番初めに、われわれのキャプテンが決めることが間違いなく勝利につながったと思う」と背番号8の姿勢がチームメートの士気を高めることにつながったことを強調。気迫のキックで神戸の新たな扉を開くことに貢献した主将の意思は、準決勝の舞台でも大きな意味を持つことになる。
対する蔚山は優勝候補の呼び声も高い韓国の強豪。グループステージから無敗で山を登り続け、準々決勝では同じく無敗だった北京中赫国安を2-0で一蹴している。このACLにおける最強の敵と呼べる存在である。120分の激闘をこなしたことも含めて、神戸は満身創痍の状態だろう。厳しい戦いになることは必定だ。
それでも、目標とする“アジアNo.1”への野心がなお高まり続けていることは間違いない。西地区を勝ち上がったペルセポリスとの決勝戦への切符を求め、勇敢な戦いを披露してくれることになりそうだ。
[ 文:小野 慶太 ]