本来はプレーオフからの出場だったが、豪州勢の辞退により、繰り上げという形でストレートインとなった。もっとも、今回は過去3回とは状況が異なる。新型コロナウイルス感染症の影響でグループステージは集中開催となり、C大阪が所属するグループJは、タイのブリーラムを舞台に中2日で6試合を戦う。タイへ出発する前、「同じメンバーで6試合を戦うことは不可能。選手全員の力を示す最高の機会だと捉えている」と話したのはレヴィー クルピ監督。まさにチームの総合力が問われる戦いとなる。
初戦の相手は広州FC(旧・広州恒大)。C大阪にとって広州FCは、2014年のラウンド16、2018年のグループステージ最終戦で敗れ、行く手を阻まれた因縁の相手。かつては潤沢な経済的基盤を背景に強力な助っ人が在籍していた広州FCだが、今回は少し様子が異なる。今回のグループステージに登録されている選手は若手が中心。C大阪としては、難敵を撃破するチャンスであり、グループステージ突破へ向けて勝点3を獲得したい一戦だ。
5月の明治安田J1は3分3敗と未勝利に終わったC大阪だが、大久保 嘉人や原川 力ら負傷で戦列を離れていた選手たちが復帰し、徐々にリーグ開幕当初の力を取り戻しつつある。直近の公式戦となった天皇杯2回戦では、大久保と奥埜 博亮のゴールで鳥取に2-0と勝利。公式戦未勝利が続いていた流れを断ち切ってACLへ臨めることは精神的にも大きい。アジアの舞台で今季のチームが目指している“攻める”姿勢を発揮できるか、注目したい。
今大会はバブル方式と呼ばれる、チームが隔離された状態で開催され、選手・スタッフは滞在するホテルと練習場、試合会場を往復するのみ。食事も各自の部屋で行うことになっている。約3週間に及ぶ長丁場でメンタル面を懸念する声に対して指揮官は、「ほとんどの選手にとって、経験したことのない1カ月になる。不安がないわけではない」と前置きしつつ、「プロとして行動することが大事。昨季の成績がこの大会に参加できる権利を生んだ。プロとして、この大会に参加できる喜びを感じて、それに合わせた行動をとっていきたい」と語気を強めた。「ACLは憧れていた大会。自分がどれくらい通用するのか楽しみ。優勝したい」と話す坂元 達裕を筆頭に、選手個々のモチベーションも高い。
C大阪にとってACLの最高成績は、初出場となった2011年のベスト8。過去を乗り越え、アジアの頂に到達するために、まず求められるのがグループステージ突破。
「(過酷な)条件面の言い訳をせず、何事も前向きに臨むことが大事。どの選手にとっても、試合ができることが一番。(連戦が続く状況は)サッカーを楽しむ機会。サッカーを楽しむためには勝利が必要。勝利を重ねることで、プロサッカー選手としてのキャリアを成長させることができる。良い結果を残して、無事に日本に帰ってきたい」(レヴィー クルピ監督) 桜軍団の四度目となるアジアへの挑戦が始まる。
[ 文:小田 尚史 ]