第1節でマレーシア・スーパーリーグ王者のJDTと対戦した名古屋は、時には前線からのアグレッシブな守備で、時にはじっくりと引いて守る堅実な守備と、名古屋らしい戦い方を見せた。攻撃面では東京五輪日本代表に選ばれた相馬 勇紀を中心に速い攻撃を仕掛けると、マテウスのドリブル突破から成瀬 竣平がシュート。ジャストミートはしなかったものの、そのボールを山﨑 凌吾がつなぎ、最後は阿部 浩之がゴールに流し込んだ。JDTの守備陣は山﨑のポジションがオフサイドだと勝手に判断してプレーを止めてしまったこと、逆に山﨑も阿部もレフェリーの笛が鳴るまできっちりとプレーしたことが明暗を分けることになった。
先制点を挙げたあとはシステムをトリプルボランチに変え、逃げ切りを図るマッシモ フィッカデンティ監督。こうした采配もリーグ戦からブレがなく、選手間でも守り切る意識が統一されていた。ただ、後半アディショナルタイムに甘い寄せでクロスを上げられ、ヘディングでゴールネットを揺らされたことは反省点。競り合いが相手のファウルと判定されたことは、ある意味幸運だった。
続く第2節も、名古屋は堅守速攻のスタイルを貫くことは間違いない。一方で、課題として挙げたいのは攻撃の精度だ。第1節を終えて、「レフェリーだったりグラウンドだったり、いろんな環境に対応しないといけない。その中でしっかり勝てたことは良かった」と中谷 進之介が振り返ったように、ラジャマンガラスタジアムは芝が長く、直前に浦項対ラーチャブリーが行われていたため、決して良いピッチコンディションとは言えなかった。そのぶんトラップが浮いたり、ドリブルが長くなったりと、ボールコントロールに正確性を欠いてチャンスを生かし切れない場面もあった。ピッチコンディションが改善されることは考えづらいため、いかにうまくボールをコントロールするのか、ボールを失ったときにいかにほかの選手がフォローするのかも考えたい。
対する浦項は第1節でタイのラーチャブリーと対戦し、2-0で勝利した。きっちりと複数得点を挙げたことで、勢いを増してこの試合に向かうだろう。中でも1トップで先発したボリス タシチの先制ゴールは大きな意味を持つ。なぜなら、これまでKリーグ1で15試合に出場したものの、わずか1ゴールと不調だったからだ。大会が変わることでパフォーマンスが向上するのはよくある現象。名古屋としてはグループステージ突破に向け、この長身FWをきっちりと抑えて、勢いを止めておくことも大切になる。
[ 文:斎藤 孝一 ]