2008年以来二度目となるアジア制覇は、クラブにとっての大きな目標の1つである。明治安田J1では思わぬ低迷が続き、宮本 恒靖前監督を電撃解任。新たに松波 正信監督が就任し、立て直しを目指しているが、「いまのJリーグの状況もあるが、ACL(優勝)はわれわれが目指すべきところだと思っている」と松波監督はリーグ戦から切り替えて、グループステージに集中したい考えだ。
今回でACL出場は10回目。Jクラブの中でもアジアにおける経験値の高さは際立つG大阪だが、近年はアジアの壁の前にはね返される悔しい結果が続く。2015年はベスト4に進出したものの、2016年と2017年はクラブ史上初めて、2年連続でグループステージ敗退の憂き目を見ている。
過去9回のACLでチームをけん引してきた遠藤 保仁は不在だが、最終ラインには鹿島でACL制覇を果たした昌子 源や、広州恒大(現・広州FC)でアジアチャンピオンになっているキム ヨングォン、そして松波監督体制下で出場機会を増やしている矢島 慎也も浦和でアジアの頂点に上り詰めている。
アジアでの戦いを知る選手が数多くそろうG大阪だが、とりわけ強いモチベーションを抱いているのは攻守のキーマン2人である。
「あの悔しさはいまでも鮮明に覚えている」と話す守護神の東口 順昭は2015年の準決勝敗退の悔しさをいまでもかみ締めている。35歳を迎え、GKとして円熟の域にある東口の好パフォーマンスはグループステージ突破に向けて不可欠だ。
そして、2016年には無得点のままグループステージで大会をあとにした宇佐美 貴史にとっては、5年ぶりのACLだ。17歳でデビューした公式戦もACLで、この大会を知り尽くす宇佐美だが、第3国でのセントラル開催はクラブにとっても未知の領域。「連戦がずっと続くし、今まで僕が経験してきたACLとはまったく違う」と気を引き締めている。
一方、昨季のシンガポールプレミアリーグで2位のタンピネスは、ACLでの経験値こそG大阪に劣るものの、侮れない力を秘めている。エースは同リーグ得点ランク3位タイだったモンテネグロ国籍のFWボリス コピトビッチ。長身のボリス コピトビッチはG大阪が最も警戒すべき存在だ。そして、とりわけ強いモチベーションで挑んでくるであろう元Jリーガーも存在する。U-17W杯にも出場した仲村 京雅は存在感を見せるべくピッチに立つはずだ。
映像を入手し、すでにタンピネスの情報を分析している松波監督は、「東南アジア勢独特の試合の入りは警戒しないといけない」と、初顔合わせになる相手を侮ってはいない。
「初戦というのは大事なポイントだと思う」(松波監督)。短期決戦で波に乗るためにも、タンピネス戦での勝利は不可欠になるだろう。
[ 文:下薗 昌記 ]