名古屋は前節、マレーシア王者のJDTと対戦。後半は相手の猛攻にさらされながらも、前半に挙げた2得点をアドバンテージにして、2-1で難敵を退けた。同日に行われた2位・浦項と4位・ラーチャブリーの対戦が引き分けに終わったため、勝点を『15』に伸ばした名古屋の首位が確定。東地区一番乗りでノックアウトステージ進出を決めた。
グループGは実力的に名古屋と浦項が頭1つ抜け出し、当初の予想ではこの最終戦が順位争いの最大の山場になるとみられていたが、フタを開けてみれば名古屋は消化試合的な意味合いが強くなった。その一方で、勝点10の浦項にとっては、グループステージ突破を占う大事な試合となる。
東地区の各グループ2位の中で、成績上位3チームがノックアウトステージに進出できる今回のレギュレーション。先に日程が終了した西地区を見ると、勝点10で明暗が分かれているが、東地区はそのボーダーが『12』まで上がりそうな気配。浦項は名古屋に勝てば『13』となり、グループステージ突破が濃厚になるが、引き分け以下だと黄色信号が灯る。
全力で向かってくる浦項に対して、名古屋は先発メンバーを含めてどう対応するか。最初の焦点はそこになる。
これまでどんな相手に対しても主力級を並べ、一戦必勝を貫いてきた名古屋。マッシモ フィッカデンティ監督は“油断”の二文字を決してチームに持ち込まず、勝利の可能性が高まるメンバーをピッチに送り込んできた。下のカテゴリーに所属するチームと対戦した天皇杯も、先発は日本代表に招集された中谷 進之介のポジションに藤井 陽也が入ったくらいで、ほぼベストメンバーだった。「サッカーでは何が起こってもおかしくない」(マッシモ フィッカデンティ監督)と、手綱を緩めることはしなかった。
しかし、今回は順位の変動しない“消化試合”。前節終了後に「全体的に疲れから、最後は受ける形になってしまった」(マッシモ フィッカデンティ監督)と、選手たちの疲労の溜まり具合は十分過ぎるほど理解している。帰国後の日程や、バブル方式での厳しい生活、隔離などのストレスも考慮すれば、これまで出番の少なかった選手の起用があるかもしれない。
3年前に加入が内定し、今季ようやく新人として加入した児玉 駿斗や、初戦以来出番のなかった成瀬 竣平、U-18の吉田 温紀や豊田 晃大が、浦項を相手にどれだけのプレーができるのか。出番を得ることで彼らの成長に大きくつながるだろう。また、試合の仕上げで使われている森下 龍矢はアグレッシブな姿勢をずっと堅持しており、もっと長い時間のプレーを見てみたい選手の1人。石田 凌太郎や藤井もアピールの場が欲しいはずだ。
チームにとっては消化試合でも、若手たちにそういう意識は1つもない。人一倍負けず嫌いな指揮官が勝負を度外視するかは分からないが、もしかしたら名古屋の未来につながる試合になるかもしれない。
[ 文:斎藤 孝一 ]