2020年以来となるACLへの参戦。天皇杯を制覇して挑んだ当時は、グループステージで開幕2連勝と好スタートを切った(初戦のジョホール戦は、ジョホールが大会参加を辞退したため、その後無効試合に)。新型コロナウイルス感染症の影響で中断を余儀なくされたが、カタールでの集中開催でも快進撃を見せた。最終的には東地区の頂点を目指して韓国の蔚山と激突し、惜しくも敗れたものの、確かな足跡を残した。いまなお感動の記憶として鮮明に残り、そのステージに舞い戻ることはチームのみならずサポーターにとっても感慨深いところだろう。
ただ、神戸は波に乗れないシーズンを送っている。ここまでリーグ戦6試合を戦い、3分3敗といまだ勝利がない。11日にはホームで鹿島を迎え撃ったが、開始早々の失点が響いて0-2で完封負けを喫した。
さらに追い打ちをかけるのがケガ人の発生だ。前線でチームを引っ張ってきた武藤 嘉紀が負傷離脱すると、大迫 勇也が右足裂傷の影響でここ2戦欠場。鹿島戦で調子の良さを見せていた佐々木 大樹が負傷退場し、試合直前には藤本 憲明も出場を回避したことが三浦 淳寛監督から明かされるなど、誰が出場可能か不透明な状況。リーグ開幕以降、中3日を軸としたハードな連戦をこなしており、疲労度合いも懸念される中で重要な一戦を迎えることになる。
対するメルボルンVはACLの常連であり、最近では神戸と同じく2020年に参戦。このときはプレーオフで鹿島を下して本戦出場を決めた実力のあるチームだ。今回は予選2回戦からの参加となり、ミャンマーのシャン・ユナイテッドが出場辞退したことでプレーオフにコマを進めた。チーム得点王のニコラス ダゴスティノ、昨年10月のカタールW杯アジア最終予選・日本代表戦に出場したクリストファー オイコノミディスをはじめ、元Jリーガーやオーストラリア代表経験者など実力者がそろう。
Aリーグは現在5位で、直近3試合は2勝1分と良好な状態をキープ。ウェスタン・シドニー・ワンダラーズを率いて2014年のACLを制覇したトニー ポポヴィッチ監督がどのようなメンバー編成で挑んでくるか注目だ。
鹿島戦で一敗地に塗れた神戸だが、菊池 流帆は「自分の役割は全力でプレーしてチームを鼓舞することだと思っているので、それをしっかり実行してチームの勝利に貢献したい」と語っている。大切なのは選手それぞれができることをこなしながら、中3日で迎える重要なこの試合に集中すること。2020年に見せた快進撃の再現を多くの人が待ち望んでいる。
[ 文:小野 慶太 ]