クラブは今季『J1リーグ優勝』を最大の目標としているが、スタートダッシュに失敗。10試合を消化して2勝4分4敗と、なかなか勝星を先行させることができずにいる。ACL突入前の最後の3連戦もすべて引き分け。そこまで内容が悪いわけではないのだが、相手よりもチャンスを多く作りながらも決め切れず、一方で決定機の数も決して多くはない。
何か好転するきっかけが欲しいチームにとって、これから始まる過酷な戦いはむしろ、プラスに働くかもしれない。
「この連戦でポジティブなことと言えば、チームが成長していく1つのきっかけになるということ。幸い、多くの選手が良い状態にあり、新加入選手もいるので、そうした選手たちと一緒にプレーしながら成長していければと思う。団結する1つのチャンスだと捉えている」 リカルド ロドリゲス監督は直近の明治安田J1第8節・FC東京戦後の会見でそう語り、合流したばかりの新加入のアレックス シャルクは「良い機会だと思う。この期間を使って100%に戻したい」と自身のコンディション上昇も狙いとしている。さらに指揮官は「全員にチャンスが回ってくると思っている」と選手起用についても言及。
ここまでレギュラーとして出場している選手はさらに地歩を固めるために。チャンスを得られていない、また減少した選手はここから立場を築くために。さらにはおのおのと連係を高め、より目線をそろえていくために。大会そのものとリーグ戦巻き返しの布石、両獲りへの戦いが始まる。
初戦の相手であるセーラーズは日本のサッカーファンにはなじみのない名前だろう。昨季はシンガポールプレミアリーグで逆転優勝を果たしており、チームを率いるのはACL優勝経験もある元神戸のキム ドフン監督。ディフェンスラインにUEFAヨーロッパリーグ出場経験もあるペドロ エンリケ、中盤にはポルトガルリーグでのプレー経験を持つディエゴ ロペスを擁する。さらにベルギーの名門スタンダール・リエージュからMFマクシム レスティエンヌを、前線には196㎝の韓国代表FWキム シンウクを獲得するなど、各ポジションに強力な外国籍選手を補強している。
かつて日本代表を相手にクリーンシートを演じたGKイズワン マハブドや、CBアミル アドリ ビン アズミ、プレーメーカーのアダム スワンディなど、シンガポール代表のベテラン、中堅もそろっており、決して外国籍助っ人に頼っただけのチームではない。
かつては“勝ちを計算できるチーム”だった東南アジア組は、もはやそのような相手ではない。初戦から骨のある戦いとなりそうだ。
[ 文:沖永 雄一郎 ]