チームを去ってからしばらく経つものの、家長 昭博にとっては古巣戦。それに前回対戦時にはPKを外しており、本人にも苦い記憶があるだろう。
蔚山には横浜FMからの期限付き移籍で天野 純が在籍しているほか、浦和や新潟、鳥取でプレーしたレオナルドが背番号9を着けて前線でプレー。昨季までG大阪に在籍していたキム ヨングォン、それに韓国代表GKとして日本の前に何度も立ちふさがってきたチョ ヒョヌもいる。アタッカーとしては、ジョージア代表のヴァレリ カザイシュヴィリも厄介な存在だ。何より監督は、柏や湘南でプレー経験のある元韓国代表のホン ミョンボ氏。日本語も堪能な大物指揮官に率いられたチームは、現在最高潮の調子にあると言っていい。
こうした状況もあって、川崎Fは気合い十分でこの初戦を迎える。舞台はマレーシア・ジョホールバル。気温、それに湿度も非常に高い地であり、現地ではほぼ毎日スコールが降っているという。コンディション調整も大変になるが、10日深夜に日本を発ったチームは11日に現地着。早速調整を開始して、この一戦に備える。舞台は、“ジョホールバルの歓喜”でおなじみのスタジアムだ。現地時間17時(日本時間18時)キックオフと、暑さも心配ではあるが、「アジアの大会は勝負に対する執念、執着心を見せることが重要。それが球際などに関わっていくる」と鬼木 達監督。橘田 健人も「監督には毎日球際のことを言われている」と明かす。ACLは1つのプレーで一気に流れが変わり、ゴールが生まれる傾向にある。片時もスキを見せずに、最後まで戦い抜けるか。
川崎Fは、ブラジルに帰国して治療中のジェジエウ以外のメンバーがマレーシア入り。これから始まる中2日での6試合に向けて準備を進めている。昨季のACLグループステージもウズベキスタンで集中開催だった。そこで川崎Fは6戦全勝という結果を収めている。全員の力が必要になるのは実感済みで、昨季は橘田 健人、宮城 天といった選手の台頭も見られた。そうしたニューパワーの出現も期待しながら、いきなりの大一番を楽しみにしたい。
「ACLを経験できるというのは幸せなこと。この舞台に立たせてもらえることに感謝しつつ、持っているすべてを出し切って、予選6試合、すべて勝てるように頑張りたい」 こう話したのは、流通経済大から加入して1年目で、すでに左SBとして多くの試合に先発してきた佐々木 旭。海外での試合は初めてという彼のような存在も、より力強くなるための絶好の機会になるはずだ。
湿度、気温を考えると、よりボールを握って戦えたほうが消耗も激しくないか。その点にも注目してみたい。
[ 文:田中 直希 ]