横浜FMが前回ACLに出場した2020年はクラブ史上初めてグループステージを突破したものの、ラウンド16で水原三星に痛恨の逆転負けを喫し、苦杯をなめた。前回に続いてアジア制覇を掲げる一方、まずはグループステージ突破に全力を注がなければならない。
幸いチーム状況は良好。ACL前の国内ラストゲームとなった10日の鹿島戦は鬼門だった県立カシマサッカースタジアムでリーグ戦10年ぶりの白星を手にし、2019年から続いたリーグ戦での対鹿島の連敗も『5』でストップ。試合後の選手たちの表情は漏れなく明るく、上々の雰囲気でACLに向けて切り替えられているはずだ。
今回のグループステージは中2日の連戦で6試合を戦う超過密スケジュール。雨季にさしかかる前のホーチミンは日中30度以上あり、高温多湿。現地時間18時、または21時キックオフのナイトゲームとはいえ、多大な運動量を課す横浜FMにとって、この過酷な環境が天敵であることは間違いない。東南アジア特有の気候を踏まえれば、大幅なローテションも見込まれ、ケヴィン マスカット監督の起用法は注目ポイントだろう。今節、先発に送り出される面々が残り5戦をどのように戦っていくかの指標となる。
チームは12日に現地入りし、新型コロナウイルス感染症対策としてバブル方式を敷く中、コンディション調整に勤しむ。14日のオンライン取材に対応したエウベルも「暑さや湿度など気候は日本と違うので早く慣れないといけない。ただ、ピッチ状態や天候の変化を言い訳にしてはいけない。自分たちは質の高いチーム。歴史に名を残すため、タイトルを獲れるようチーム一丸となって戦っていく」と力強く意気込みを語った。
対するホアンアインザライは昨季、新型コロナウイルス感染症の蔓延に伴い、ベトナムリーグが途中で中止となったものの、その時点で首位に立っていたことによりACL出場権を獲得。カタールW杯最終予選で先月、日本代表と対戦して引き分けたベトナム代表4人を擁する国民的人気クラブである。
特にその日本代表戦で先制点をアシストしたグエン コン フオンには注意を払わなければならない。“ベトナムのメッシ”の異名を持つレフティーが繰り出す精度の高いボールはホアンアインザライの生命線。直近のリーグ戦でも2得点を奪い、得点力も見逃せない。
とはいえ、次節にはグループ最大のライバル・全北現代戦を控える横浜FMとしては確実に勝点3を積み上げたいところ。必勝の一戦であることは言うまでもない。
[ 文:大林 洋平 ]