川崎Fの相手は広州FC。恒大グループが経営権を持ってアジアを代表するクラブとなったが、親会社の経営難を受けて外国籍選手を一挙放出するなど以前のような隆盛した姿はなくなった。さらに今大会は、前回大会同様に若手主体で参戦している。第1節のJDT戦では、序盤から失点を重ねて0-5で敗れた。相手を蹴って退場処分になった選手が即刻クラブから解雇処分を受けるなど、混乱模様が見て取れる。メンバーの背番号は40番以上、本来の監督ではないコーチがチームを指揮するなど、グループ内で一番力が劣ると言っていいだろう。
初戦の蔚山戦を1-1で引き分けた川崎Fとしては、勝利がマストの試合だ。過密日程の中で行われている上に、高温多湿の条件下での試合。ピッチも日本とは違ってより粘着質で「足がとられる」と選手も口々に語っている。
メンバーを大きく入れ替えて臨むことになりそうだ。昨季も、グループステージではターンオーバーを敷いて戦い抜いた。相手チームの情報は少ないが、「いろんな意味で気持ちを全員がそろえていかないといけない。簡単なゲームではない。情報もないので難しい。ゲーム状況、大会全体を通してどういうことが起こっているのか把握していきたい」と鬼木 達監督も展望している。
期待したいのは、出場機会に恵まれなかった選手たちの活躍だ。前回大会では橘田 健人、宮城 天らがチャンスを生かしてゴールを奪うなど存在感を示し、チームの戦力として台頭していった。負傷がちで出遅れている大島 僚太、出場機会を得られていない今季加入の瀬古 樹、それに高卒2年目の田邉 秀斗といったメンバーの奮起が望まれる。蔚山戦が復帰戦となり値千金の同点弾を挙げた車屋 紳太郎、それにメンバー外が続いていた登里 享平、チャナティップのコンディションも気になる。今季も出ずっぱりの右SB山根 視来の代役候補など、公式戦でチェックしたいポイントは多い。いずれにせよ、タフに戦い抜くことが必要なACLは総力戦。そして、前述のように必勝が求められる広州FCとの戦い。負傷を怖がっていてもいけない。フレッシュな力を借りながら、全力で相手を上回りたい。
キックオフは今節も現地時間17時(日本時間18時)。前節のように非常に暑い中で行われることが明白だ。さらに、スコールなどの荒天もあり得る。ピッチコンディションはさらに悪くなっているかもしれない。どんな状況でも臨機応変に、冷静に、そしてひたむきにゴールへと向かっていくことが求められる。
「ACLでは何もないところからゴールが生まれる。89分集中していても、一発のクロスで試合状況が変わってしまう。レフェリーのジャッジも思っているのと違うことも起きることがある。さまざまな意味で、メンタル的な対応が重要になる。どんなときもスキを見せないよう、そして自分たちはスキを突けるかどうか。研ぎ澄ませていきたい」(鬼木監督) [ 文:田中 直希 ]