ACLに参戦するのは2年ぶり2回目となる神戸。一昨季の2020年大会は初出場ながらアジアの強豪クラブを次々と撃破し、韓国の蔚山と東地区の頂点を争う準決勝にコマを進めている。最終的に悔しい敗戦で終えたものの、アジアを舞台に積み上げた経験値はかけがえのない財産となり、昨季リーグ戦で3位に躍進する原動力となった。アジア制覇に近づいた瞬間からおよそ1年半、目標を遂げるための再挑戦の舞台に立つ。
ただ、必ずしも順風満帆でタイに乗り込んだわけではない。リーグ戦は開幕から未勝利で、ここ3試合はいずれも敗戦。それでも、10日に開催されたリーグ前節・C大阪戦から指揮を執ったロティーナ新監督は「今日の試合をもとに学んだこと、見えたこと、改善点としてチームに落とし込む材料に使っていけたら」と前を向いた。
このタイ遠征という時間を効果的に使い、チームの成長を期したい考えを語る新監督。選手同士の計算された距離感や連動性のある守備の確立はもちろんだが、神戸は元来、ボールを保持して主導権を握るスタイルを希求する。C大阪戦でも見られたが、ピッチの横幅を広くとり、縦のレーンやスペースを活用しながらゲームを支配するポジショナルプレーの落とし込みも、より具体的に進めていることだろう。「ACLで結果を残しつつ、15日間が終わって帰ってきたときにより自信を持って、より安定してプレーができるチームを築き上げる。それが今回の重要な目標」とも話すロティーナ監督の下、練習と試合のサイクルに集中し、確かな組織を築き上げたい。
初戦の相手となる香港の傑志は侮れない相手。昨季に続いて三度目のACL参戦となったが、すでに16日にチェンライUと第1節を戦い、トルクメニスタン代表のルスラン ミンガゾフのゴールで1-0の勝利を収めている。この試合では[4-1-4-1]のシステムを採用し、ハイプレス、前線の選手の走力を生かした速攻が目を引いた。タイの暑さなど気候が影響したのか、後半は息切れし、バランスを欠く面も見られたが、タフに戦えるチームであることは確実だ。
傑志はチェンライU戦から中2日で神戸戦を迎えるため、守り方などどのような狙いを採用するか不透明な点は多い。神戸もメンバー編成で流動的な面はありそうだが、試合前の準備に加えてゲーム中の戦況把握と体現力を発揮し、勝利でグループステージ突破への道筋をつけたいところだ。
[ 文:小野 慶太 ]